1.023world - ヤドカリパークとマリンアクアリウム -

海洋の仕組みと細菌・微生物から学ぶマリンアクアリウムサイト

1.023world Facebook

結果 Oh! Life (旧ブログ)

懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

ヤフオクLEDへUV素子を乗せる際の注意点

この記事を含むタグの全記事リスト: LEDスポット ヤフオクLED 自作関連 電気系

書く書くと言いつつ、これまた問題が大きいため躊躇してたら、草稿から早1ヶ月が経過。。。うーん・・・やっぱり見て見ぬ振りは寝覚めが悪いな。思い切って公開するか。
それではどうぞ。。。得意の問題提起を。

前回のヤフオクLED改について、深刻かも知れない注意点を記しておきます。

実は、今回のレシピでUV素子を使った点が、少し気になっています。
一般的にUV素子を使ったランプの構造に関するセオリーとして、筐体構造的に光が密閉できて、前面パネルのレンズ経由でのみ光が照射される構造を採用することは、UVを扱う業界であればアクアに関係なく必然的に考慮している安全面のひとつではありますが、ヤフオクLEDの場合、元々UV素子を載せることを考慮していない筐体であるためか、あるいは冷却効率を稼ぐことしか考慮されていないためか、はたまた目眩ましによって光量評価を錯覚させるため(曝)か、常にヒートシンクの隙間から横に光がジャジャ漏れの状態であり、ここへUV素子を乗せれば、当然UV漏れが懸念されます。

光が漏れる構造のランプ

UV漏れの無いランプとヤフオクランプのUV漏れの比較

実際、ランプ点灯時にヒートシンクの真横にUV計を向けると弱いながらもUVが漏れているのが判ります。具体的には、今回の改造品の場合で、ランプ正面のUVピーク値が35.7μW/cm2 (90°レンズ/10cm)に対し、側面のUV漏れは0.7μW/cm2、しかも斜め後ろでは1.0μW/cm2を超えるポイントもありました。もし別のレンズを組み合わせたり、素子の位置や数が変わることで、この値は更に変化するかも知れません。これは本来、光の漏れないランプの正面レンズ経由のUVだけなら、仮に視点がレンズに向いても、ビーム角の外からでは目に入るUV量も限られると思われますが、ヤフオクLEDのように真横から光が漏れる場合は、LED素子からの直接光やレンズ裏で乱反射した光を直視してしまう形になるので、万一不用意に見つめてしまうと目への影響が心配されます。また、目に関しては、なるべくランプから視線を外すことである程度は回避できますが、UV-A(315-400nm)は体に長時間浴び続けることで健康に悪影響を及ぼす場合があるため、水槽の横で長時間作業する場合なども、多少でもUV被爆の蓄積が懸念されます。

実機によるUV漏れチェック

私は医者ではないのでこの値が目や体に与える影響の度合いを量ることはできませんが、少なくとも元々搭載されていなかったUV素子を勝手に換装した責任は自分にあるので、皆さんもUV素子をヤフオクランプに載せる場合には、十分に理解した上で、くれぐれも自己責任でお願いします。もし少しでも不安があれば、この改造は控えてください。

太陽やメタハラなどはLEDよりも何倍も強いUVを発していますが、そもそも光源自体が眩しいのでUVを含め光源を長時間凝視することはありえません。しかし、LEDには単色のUV素子があり、それ自体は眩しくありません。よって、知らず知らずか、あるいはうっかりと見つめてしまうケースも危惧されます。特にお子さんがいる家庭では十分な配慮が必要です。

最後に、子供騙しではありますが、このUV漏れを簡易的に軽減する方法を紹介します。放熱性の確保とは相反しますので、何パターンか色々と模索したり、別途ファンを併用する等の工夫をお願いします。
その名も、アルミホイルグルグル大作戦♪(笑)
ちょうどUV漏れの幅に合わせて薄く切ったアルミホイルをグルグル巻いてみました!

短冊状に切ったアルミホイルを簡易的に巻いてUV漏れを軽減するテスト

うふふ。これで一安心♪
数cm程度の幅なら問題ないと思いますが、ファンを併用するなど自己責任でね。

追記:
ヤフオクには、この筐体に初めからUV素子を搭載したモデルも各社から販売されているようですが、素子の製造元、発光スペクトル、放射束強度、素子数等が不明であるため、どのモデルからどれだけのUVが漏れているのか、実際に測ってみないと判りません。
今回僕が使用したUV素子はLedEngin社の5W対応素子で、1~2W駆動でもかなりの放射束を出力する高効率の素子です(参考:LedEnginとノーブランドのUV素子比較)。しかも今回、365nmと400nmを1ヶずつ計2ヶ使用しているため、結果的にヤフオクLEDのノーブランドのUV素子より、遥かに大きなUV漏れが起こっている可能性も考えられます。逆に言えば、ヤフオクLEDのUV漏れは畏るるに足らない、かも知れません。
と言う考察もできつつ、実は逆のパターンも考えられます。それは、LedEnginのビーム角は85°、ノーブランドの多くは120°~140°です。そう、横に漏れやすいのはどっちだ?と言う話です。。。
どなたかUV入りのランプをお持ちの方、UV漏れを測ってみていただけません?

追記2:
先日、別の記事のコメントにも示したある機関の実験結果について、ここでも紹介しておきます。以下、Tetsuo氏に向けた僕のコメントからの抜粋です。

(中略) ランプの真横からUVがジャジャ漏れの構造ですからね(汗)
勿論、前面レンズ越しのビーム角のような指向性は無いから、素子からの直接光や内部で乱反射したUV光が直接的に目に入ってくるので、長期的に見た場合の 眼球へのUV被爆量(厳密には400nm以下は水晶体により護られるため、400nm~410nmが危険域)が心配です(ランプ前面ならビーム角があるの で、その外から見る分には光強度は微小)。勿論、メタハラや太陽光の方が何倍もUV量は多いんですが、それらは眩しいので無意識に瞳孔が閉じますが、 LEDのUV素子はUVを単波長で出力するので眩しくありません。(中略)

参考:
http://www.nichigan.or.jp/member/journal/nggz/10510.jsp
日本眼科学会雑誌 Vol.105 No.10 青色発光ダイオード光による網膜障害

要約:
青色LED(460nm/1.2mW)をレンズで集光しアカゲザルの網膜へ3mm径の面積で照射。
一日12分、23分、34分、40分、45分、90分の照射で30日間実験。
23分以内異常無し、34分以上で過螢光発生、90分で網膜細胞壊死・メラニン消失。
結論、青色LEDでは28.8J/cm2 以上の照射で網膜障害発生。

青色LEDでさえこの結果ですから、更に高エネルギーの400nm前後だとどうなるのか?

ノーブランドUV素子とは言え放射強度は100mWはある(集光して無いとは言え上記実験の80倍以上ある)し、ヤフオク24Wは1.5W駆動ですから、もう少し高くなります。しかも搭載してる素子は1ヶじゃないし。。。
(中略)

販売元や製造元がこのUVの横漏れに関して安全試験や検証をおこなっているのなら、その結果を示せば良いと思います。いくら製品説明で「UVは直視しないように」と謳っても、横漏れしてたら勝手に目に入っちゃいます(苦笑)。ユッケみたいな事故が起こってからでは遅いですからね。

こちらのエントリーもどうぞ♪

OSA OptoのUV LEDが気になる

この記事を含むタグの全記事リスト: LED

先日からのチップ散策の際に見つけたドイツのチップメーカーOSA Optoがちょっと気になってます。作ってるチップはAlInGap等の赤系ばかりですが、普通にLED素子もラインナップがあって、その中にUV素子もあります。放射束強度もLedEngin並みにあります。ま、ビーム角が120°なので、ちょっと使い方に工夫が必要だけど。。。
しかーし!気になるのはそのUVのラインナップの多さ! なんと下は350nmから上は430nmまで、5nm間隔で豊富に揃ってるのだ! おおお! こばやしさんじゃないけど、400nmと450nmの隙間が埋めれるやんっ♪  と、しばし小躍りっ♪
・・・と思ったのもつかの間。さすがドイツと言うことで、これを扱う通販は、どこも日本宛の発送はやってないみたい。ま、仮にやってても送料で目眩がしそうだけど(汗)

で、諦めきれず、暇さえあればOSAのサイトを眺めているんですが、見れば見るほどなんか腑に落ちない点がいくつか見えてきました。

  1. 赤系のチップを得意として何種類も作ってる割に、LEDパッケージのはどれも他社製のチップに見える。。。自分とこの使えば良いのに(汗)。あるいは、データシートの写真、当てにならないのかなぁ???
  2. これまたデータシートの画像からだけど、UVのチップはCreeにそっくりで、一般カラーのはSemiLEDsに見える。。。普通、逆じゃない? ま、CreeもUVチップ作ってるのかも知れないけど、なんか腑に落ちないなぁ。。。
  3. ラインナップには記載されてない素子を、別のページのPDFの中から発見。GeneLiteかEpiledsにも見える不明チップ(多分STかなと思う)が乗ってるんだけど、これも通常ラインナップと同じ型式OCL-44xが割り当てられている。でも色は不明。

ま、全てのチップデータが掲載されてないのかも知れないし、本当に他社のチップをバンバン使ってるのかも知れない。別にそれをどうこう言うつもりは無くて、単にUV素子が欲しいのに買えないから、気がつけば粗探ししかすることが無いってこと(笑)

一応、チップデータ、素子データを拾い出してまとめてみました。

OSA Opto チップ

赤系チップしか作ってないみたいだけど、数は豊富ですね。

一方、LED素子のラインナップがこちら。

OSA Opto LED

各写真はデータシートに入ってるものを切り抜いたものですが、品番に対して使われている素子の写真自体はサイト内のどこを見ても一応一貫性があるので、あくまでもデタラメに貼ってる訳ではなさそう。。。てことは、やっぱUVがCreeで、カラーがSemiLEDs?  しかも最後のOCL-44xって言うのは何だろう・・・?

ちなみに、この中の代表的ないくつかの素子は、CONRADFarnellで販売されているようです。買えないと判ってはいても、ついつい何度もカートに放り込んでしまう。。。曝

LedEnginに続いて、このサイズ(3.8mm×3.8mm)の大光量UV素子はかなり貴重なので、今後のLED製品への採用が見込めそうだ。ただ、レンズ部の形状が吉と出るか凶と出るか・・・。

こちらのエントリーもどうぞ♪