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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

スペクトルメーター自作キット

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追記:2012/08/23 18:00
どうも売り切れたようです。残念。。。汗


これは何でしょう?

これは何?

答えは、スペクトロメーター(分光器)の光学ユニットの中身でした♪

回折イメージ

うひょ~買っちゃったんですぅ~♪

普通にネットで分光器を検索すると、Ocean OpticsStellarNetなど有名どころの製品は50万-100万は当たり前で、とても個人で所有できる代物ではありません(汗)
で、庶民的な廉価版が無いものかと、日々探索しているわけですが、なかなかコレ!ってモノが見つかりません。
この辺が一番現実的かな?とも思うのですが、ただスペクトルを測るだけで10万と言うのもちょっと。。。そこまで出すならもうちょっと出して放射照度、色温度、演色性なんかも測れるモノが欲しくなったり。。。

そんな悶々とした中、先月末に面白いモノを見つけました。
どこかの中古の払い下げユニットを利用した自作キット分光器なる怪しげなブツです。
でも光学ユニットはクロスチェルニーターナー方式の本格的な分光器が載ってます!
CCDは一応ソニー製の2047ピクセルで、回折格子も1800 l/mmが付いてて、理論上、下は300nmから上は800nmまで受光可能とあります。
海外通販ではありますが、なんと$50の送料入れても2万で買える代物でした(曝)

但し、あくまでも「自作キット」と言う部分がミソ。CCDへの波長の整列などアライメントを自分で調整しなければなりません。その上ソフトウェアとのキャリブレーションも。。。そんなん素人には無理でしょ。
でも、もしアライメント済みの完成品が欲しいなら倍の4万で売るとの事。それでも安い!
なのにチャレンジャーな僕は2万円のキットの方を購入してみました。ワイルドだろぉ?
(キットと言っても組み立て済みですが、光学ユニットの分解・調整が必要です)

で、いざ届いたは良いけど、案の定スペクトルは大雑把に出る程度で、波長とのマッチングはデタラメでした。まあ、判っては居ましたが、ちょっとは淡い期待してたのに。。。笑
ま、夏休みの自由研究だと思って、分光器のしくみを勉強するのも粋なもんでしょう♪
で、暇を見つけてはシコシコ。。。
幸い、BHの高精度分光強度計で測定したLEDデータが山のようにありますので、本来ならばレーザーダイオード等を使ってアライメントを取るところを、単波長のLEDで代用しつつ、下は400nmから上は500nmまで、ほぼ完璧にアライメントできました♪
問題は黄色が弱いのと赤以降がうまく出ないこと。。。製造元はフォーカスミラーの調整が原因って言うけど、何度やっても駄目。ま、どうせ海中スペクトルで赤は扱わないし、僕もあまりこだわらないので、パスしました(汗)

バイタルウェーブ・バイオレット測定中の様子♪

スペクトルメーター測定風景

シアン500nm以下を測る分にはバッチグー♪
一応、カッチョイイPC用ソフトウェアも付いてるし、それで2万なら結構な満足度です。
それに、LED素子の単波長を個別に測る分には十分重宝できそう♪

ちなみに黄色が弱いとか赤が出ないって言うのはこんな感じです。

スペクトル測定 - LED、電球、蛍光灯

これはLED電球と白熱電球と蛍光灯の合成イメージですが、どうしても黄色が凹むのと、どうも600nmを超えてからのデータが可笑しなことになってます。
ま、直す気はありませんけど(笑)

こないだ届いたMazarraのLED素子も測ってみました。

スペクトル測定 - Mazarra LED素子(400/420/430/500nm)

左から旧420nm(S35)、新420nm、新430nm、500nmです。
うむ。余は満足じゃ♪
あ、Mazarraの素子も近日紹介しますね。話がこじれてまとめるのが大変で。。。

で、さすがに普通に買ってすぐに使用できる代物じゃ無いし、完成品の精度も怪しいので、自信を持ってオススメできないので、今回は混乱を避けるため購入元の紹介は割愛しておきます。もしそれでも挑戦してみたい方はメールください。但し、アライメントやキャリブレーションの方法は僕も完璧には制覇できてないので、すべて自己解決でお願いします。
ま、市販の1/10以下で買えるスペクトロメーターですから、オモチャだと思って徹底的にいじり倒せば、十分楽しめると思います。

こちらのエントリーもどうぞ♪

蛍光タンパクドクター発売、デジカメWB講座

この記事を含むタグの全記事リスト: LED LEDうんちく デジカメ

サンゴ蛍光タンパクチェッカーフラッシュライトF.P.ドクターの応援市場への出品がようやく完了しました。大変お待たせしました。

サンゴ蛍光タンパクチェッカーフラッシュライトF.P.ドクター

これであなたも蛍光タンパクソムリエだ!笑

F.P.Drラインナップ

サンゴの蛍光タンパクと吸収波長(励起光)について

各波長について簡単におさらいしておきます。
蛍光タンパクの吸収・励起については以前の記事も参考にどうぞ。

365nm/380nm/400nm
浅場の蛍光サンゴの多くがこの波長に反応する蛍光タンパクを持っていて、主に蛍光バイオレットVFPや蛍光ブルーBFP・蛍光シアンCFPの励起光となっている。蛍光タンパクの種によっては蛍光グリーンGFP・蛍光レッドRFPへシフトするケースもある。蛍光バイオレットVFPの励起光としてはこのあたりの波長が上限となる。 これらの波長が十分に得られるアクアLED製品は限られる。
420nm
浅場から深場まで多くの蛍光サンゴがこの波長に反応する蛍光タンパクを持っていて、主に蛍光ブルーBFPや蛍光シアンCFPの励起光となっている。蛍光グリーンGFPや蛍光レッドRFPもこのあたりの波長から反応が始まる。蛍光ブルーBFPの励起光としてはこのあたりの波長が上限となる。この波長が十分に得られるアクアLED製品は限られる。
450nm
浅場から深場まで多くの蛍光サンゴがこの波長に反応する蛍光タンパクを持っていて、主に蛍光シアンCFPや蛍光グリーンGFP、蛍光レッドRFPの励起光となっている。蛍光シアンCFPの励起光としてはこのあたりの波長が上限となる。一般的な多くのアクアLEDライトで得る事ができる波長。
475nm/500nm
浅場から深場まで多くの蛍光サンゴがこの波長に反応する蛍光タンパクを持っていて、主に蛍光グリーンGFPや蛍光レッドRFPの励起光となっている。 475nmは一般的な多くのアクアLEDライトで得る事ができるが、500nmは製品が限られる。

サンゴ蛍光タンパクチェッカー F.P.ドクターの使い方の例

  1. 新しく買ってきたサンゴにはどんな光環境が良いのかな?
    教えて! F.P.ドクター♪
  2. 最近色落ちしてきたサンゴ、本当はどの波長を欲しがってるの?
    教えて! F.P.ドクター♪
  3. もしかしたらまだ見た事ない蛍光色を隠し持ってるかも知れない!
    教えて! F.P.ドクター♪

例えば、400nmを当てて蛍光ブルーを発するサンゴは、その400nmの波長がないと蛍光ブルーはどんどん褪せていきます。特に蛍光色は一度完全に消失してしまうと、その後いくら励起光を当ててもその蛍光タンパクの存在は捉えにくくなってしまいます。その場合、その波長を当て始めても、蛍光タンパクが回復するまである程度の時間を要します。
スギノキブルーを青系LEDライトで飼育していると、普段はLEDにより青く演色され、当然青く見えているため気づきにくいのですが、実は400nm欠落による蛍光ブルーの褪色がひっそりと裏で進行していきます。そしてある日LEDを消して部屋の照明で見てみたら、あらら、いつの間に茶色に!? なんてよくある話です。
蛍光シアン(明るめの水色)の個体は一般の450nmでもそこそこ維持は可能ですが、濃ゆい蛍光ブルーや蛍光バイオレットの個体にはくれぐれも注意してください。

F.P.ドクターの実際の光の色と強さ

F.P.ドクターにはKR93SPやKR90DRにも採用されている大光量のフルスペクトル用LED素子が使用されています。とは言え、人間の目は比視感度により、緑色から遠ざかる色ほど光を感じにくくなりますので、500nm/475nm/450nmあたりは眩しく見えても、420nm/400nmになると眩しさが感じにくくなり、特に380nm/365nmになると人間が感じる可視光線から外れてしまうためほとんど光強度を感じなくなってしまいます。

F.P.Drノーマル撮影

* 実際の見た目の明るさ

しかし、要注意です!
実はこれらのライトはいずれも同等の光エネルギーを発しています!
特に380nm/365nmは紫外線なので破壊力はダントツです!
しかもフラッシュライト用の超集光レンズにより超強力な光線になっています!
くれぐれも「眩しくないじゃん♪」と安易に光を覗き込んだり人に向けないこと!
視力低下や失明の恐れがあります!!!

と、念を押しておきます。

F.P.ドクターは用法・用量を守って、正しく楽しくお使いください♪

見たとおりの色で撮影するデジカメのホワイトバランス講座

おまけのコーナーです。F.P.ドクターの写真撮ってたら、ふと、思い立ちました。

以前からも薄々は感じていましたが、最近特に多く見受けられるかな?
「見たとおりの色がうまく撮れない」と言うお悩みの声です。
もちろん、お使いのデジカメの性能による部分も大きいのですが、比較的最近のデジカメであれば、設定をちょちょいといじってやるだけで、ずいぶんと仕上がりが改善できる場合も多いのです。何もわざわざデジイチを買う必要はありません。むしろ小回りの利くコンデジがオススメです。

よく見受けるLEDが被写体のケース。

デジカメ撮影でありがちな悪い例

特に古いデジカメや携帯で撮った場合もこんな感じになりがちですが、これじゃ、どのLED素子が何色なのか、さっぱり判りませんよね。

基本的に露出がオーバー・アンダーと言う以前に、超閃光のLEDを撮る場合、露出補正くらいでは追いつきません(笑)。シャッター速度をマニュアルでいじるモード(絞りオート)があるなら、積極的にシャッター速度をバンバン上げてみてください。何枚か撮れば良い具合の露出が見つかるはずです♪

さて、問題は露出よりもホワイトバランスです。
色が思い通りに撮れない理由の多くは、不適切なホワイトバランスが原因です。
ホワイトバランスはある程度慣れてコツが掴めるまで大変かも知れませんが、理屈が見えてくればガンガン応用が利きますし、思い通りの色で撮る事ができるようになります♪

ホワイトバランスとは?

人間の目ってホントよくできていて、実は我々の目は潜在的且つ経験的なスペックにより、超高精度なホワイトバランスが働いていて、赤い光環境だろうと青い光環境だろうと、その中でもモノの色が適切に見えるようにホワイトバランスが的確にコントロールされています。ま、普段はそんな技術は微塵も感じませんけど(笑)

そして、デジカメにもホワイトバランス(以下WB)を自動的に調整するWBオートが大抵付いていて、最近のデジカメほどその精度も高くなってきたようですが、それでも限度があります。そんな時は、手動設定が勝る場合もある訳です。

  1. フローとしては、まずはWBオートで撮ってみる。
  2. WBオートで色がうまく出ないなら、まずは光源のタイプを考慮してみる。
    6500KのメタハラならWBを「太陽」に、T5なら「蛍光灯」にしてみます。
  3. それでもうまく色が出ないなら、デジカメの取説をよく読んで、WBに色温度を直接指定できないか、あわよくばCIExy色度が直接いじれる機能が無いか探してみてください。
    要は、環境光の色温度を適切にデジカメに伝えてやることが重要なのです。

ホワイトバランスの設定の違いによる写真の仕上がりの比較

上の写真の左列は部屋の蛍光灯5500K下で撮ってますので、WBの設定が異なるせいで当然色がおかしくなっています。が、それは右列のように被写体の条件にさえマッチすれば威力を発揮します。
ま、このデジカメは昨年末に買ったばかりのニコンCOOLPIX P7100なので、WBオートでもそこそこ優秀な写りが得られますが、その前使ってた10年選手のCOOLPIX5000だったら話になりません(汗)

COOLPIX P7100の場合、色温度の調整や色度の調整画面はこんな感じです。

COOLPIX P7100の場合の色温度設定画面

色温度の直接入力も有り難いけど、色度が直接触れるのは超助かります。
(色度グラフについては以前の記事も参考にどうぞ)
特にフルスペ関係の撮影には絶対に欠かせません。
ハイグレードモデル買って良かった~♪
(知らずに買ったらたまたま機能が付いてたと言う・・・笑)

ビフォー・アフター♪

適切なホワイトバランスで写真が見違える♪

被写体はKR90DRで、色温度はCIExy色度のほぼ左下(100000K以上)なので、その通りに入力して得られたのが上の写真下です。これなら、450nmと475nmのLEDの微妙な色の違いもハッキリ読み取れますね♪
ただ、COOLPIX P7100の場合、WBオートでも、ほぼこれくらいで撮れました♪

今回は被写体がLEDライトのケースでしたが、応用で水槽写真、サンゴの写真、バンバントライしてみてください!

以上、お役に立てばこれ幸い。

こちらのエントリーもどうぞ♪

違いの判る男の禁断のツール

この記事を含むタグの全記事リスト: LED

今まで内緒にしてきた僕だけの秘密道具でしたが・・・

エイちゃんの秘密道具

この度、商品化されちゃいました♪
eco-lamps×ブルーハーバー×1.023worldのいつものコラボです。
その名も、
サンゴ蛍光タンパクチェッカーフラッシュライト - F.P.ドクター!
Coral Fluorescent Protein Checker Flashlight - F.P.Dr

あ、今思いつきで勝手に命名しました。あとで直すかも(曝)

Coral Fluorescent Protein Checker Flashlight - F.P.Dr.

あ~ぁ、超やべぇ、マジやべぇ!
アクアリストが全員イオナズン覚えるくらい鬼やべぇっ!

え? 何に使うのかって?
ヤだなぁ、使い道なんてある訳ないじゃないですか。ただのカラーライトですってば♪
え? これさえあればサンゴの蛍光タンパクの励起波長が見抜けるって?
何を馬鹿な・・・わなわな・・・仮にそれが判ったからってどうだっての?
え? サンゴの色揚げに必要な光環境が判れば照明選びに役立つって?
バッ、何言ってんの、気のせいでしょ、寝言は寝て言ってよね!

・・・。
これじゃ、手品の種明かされたマジシャンやん(曝)
そうなんです。すみません。
実は、スパスラタもストロベリーもオージーもフィジーもあれもこれも、色維持の難しい色素構造のサンゴの秘密を、僕らは既にこっそり知ってたのです。ひぃぃぃ許して。

そんな、フルスペやDRの原理にも生かされた重要機密のひとつをネタばれした上に、しかもお手軽アイテムとして商品化しちゃうんだから、BHの太っ腹にも困ったモノです♪

さて、そんな和田さんが取り急ぎ適当なサンゴの発色例を撮って送ってくれました。

サンゴの蛍光反応 - 1

これはブルー系のスギノキ?かな。この結果から、この個体のブルーを司る色素はシアン蛍光タンパクCFPで、最大吸収はおよそ380-400nm前後、最大励起(発色した蛍光の波長)はおよそ500nm程度でしょうか。吸収範囲はおよそ365-420nmまで、450nmでも微かに反応あり、但し475nm以上になると蛍光反応は無くなってライトの演色のみとなります。よって、このCFPには365-420nmは要るけど475nm以上は要らない、と。

それにしても、365nmは低感度だから良いとして、380nmから420nmをカバーしつつ、且つ400nmがてんこ盛りの照明って一体どこに、、、あ、フルスペがあるか♪
逆に400nmがスカスカの照明は一体どうすれば、、、あ、バイタルウェーブ追加か♪

サンゴの蛍光反応 - 2

このカクオオトゲの場合は、シアン蛍光タンパクCFPとレッド蛍光タンパクRFPを持つため、必要な波長範囲は大きくなります。ざっくり見ると、この個体のCFPの維持には365-400nm(420nm→ブルー?)が、RFPの維持には380-400nmと475-500nmが有用だろうと読み取れます。
ちなみにこのRFPは400nmと500nmで2つのピークが見受けられるので、一般的なRFPとKeimaみたいな波長シフト量の大きな蛍光タンパクの混在か、あるいは2つのピークを持つ単一蛍光タンパクなのか、想像力がかき立てられます。

サンゴの蛍光反応 - 3

標準写真がありませんが、これは典型的なストロベリーと呼ばれるミドリイシです。
ざっくりと見て、まず475nm以上は不要なのは判りますね。
次に、ポリプの蛍光タンパクがバイオレット蛍光タンパクVFPかRFPかは微妙ですが、いずれにしても400-450nmに反応域があるようです。
そして肝心なのは芯部の白色(薄い黄色)ですが、これすら蛍光タンパクであることが読み取れます。その吸収範囲はおよそ380-420nmで、特に400nmで光るほどの発光量があるのが判ります。これは一体何でしょうか?
この芯部の発色構造・原理は、スパスラタと合わせて、まだ秘密にしておきます(汗)
いえ、実は僕もまだ調査中の身で。。。ま、答えはほぼ出てますけど。いずれ。

あ、ちなみにこのフラッシュライトは応援市場でも取り扱いますが、ただいま準備中です。もうしばらくお待ちください。。。バタバタ。。。順番に。。。
取り急ぎ価格は先日の和田さんのブログの通りです。

こちらのエントリーもどうぞ♪