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ライブロチェックの前に

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以前から宣言しているライブロチェックですが、ちょっと今バタバタしているので、週末~週明けまでには開始したいと思っています。でも、その前に、この実験の目的の意図を明確にしておきたいと思います。(誤解している方がいそうなので)

ライブロチェックの一番の目的は、これまで信じて疑わなかったライブロックの還元能を確認するためです。初めてベルリンシステムを立ち上げた際に聞き及んでいた「ライブロックの意味」を、今ここで改めて実感しよう♪と言うものです。

当時、ネットや書籍、先輩方から教わったライブロックの意味とは以下のようなものでした。

ライブロックは表層で硝化を行い、内部で還元を行うため、発生した硝酸を窒素に返す「脱窒」が得られる → ナチュラルで低栄養塩を実現する必須アイテム

勿論、付着生物による生物層の実現や、生体への飼料供給源としても大きな役割を果たしますが、まずは水質処理としての意義を確かめたいと考えています。
砂に関しては今回は除外します。(既に明確な結果を得ているので)
最終的には実用に見合った処理量がこなせるかどうかまで追求したいところですが、とりあえずは「能力の有無」として、その存在を確認することが目的です。

この発想に至るまでの経緯としては、前回のヒゲゴケ実験にて二次的に遭遇した、処理層(バケツ)での硝酸塩の上昇がきっかけです。ライブロックが脱窒するなら、どうして硝酸塩が消えていかなかったの? と言う疑問からです。勿論、ライブロックの処理速度、許容処理量、色々と考慮すべき点があるので、現時点でもライブロックの処理能は疑っていませんし、結果を出すための条件にも入念な検討が必要です。

但し、注意していただきたいのは、今回の硝酸塩の純粋な発生源がライブロックだったとは全く思っていません。あくまでも、分解されたヒゲゴケや、ヒゲゴケの分解用に投入した微生物・小型甲殻類の死滅によるものだと認識しています。
また、海綿・海藻等のライブロックの付着生物の腐敗が絶対にゼロだったとは決して言い切れませんが、投入前の状態から推測して限りなくゼロに近いと思います。(尚、死滅した微生物類の中にはライブロック由来のものも含まれますが、投入量の比ではありません)

以上のことを改めてご理解の上、以降のライブロチェックをご観覧くださいませませ♪

今一度、ライブロチェックの方法を記しておきます

ライブロチェック実験内容(暫定)

  1. まず人工海水にライブロックを入れエアレーションで数日程度の硝酸監視
  2. もしこの条件で硝酸が出てくるようなら、換水やエアレーションの見直し *2
  3. 硝酸ゼロの推移が確認できたら以降↓を実施、ダメなら上記↑繰り返し
  4. 別のバケツに5L程度の海水を入れ、若干の硝酸濃度を与える (2~3ppm) *1
  5. 上↑のライブロックを入れる (砂は入れない)
  6. 蛍光灯で良いので、何らかの光源を与える (タイマーで日照条件に)
  7. 撹拌はエアレーションのみ *2
  8. 一ヶ月程度実施し、定期的(最高で毎日)に硝酸を測定する

*1: 尚、設定する硝酸塩濃度は、もう少し検討の末、変更する可能性があります。
*2: また、エアレーションもライブロックをかすめるべきかどうか、まだ悩んでいます。
何かアイデアやご意見があれば、お聞かせください。

もし可能であれば、皆さんの参加も大歓迎です。
むしろご協力をお願いいたします。
万一、上記の手順の意図が判らない場合はお気軽にご質問ください。

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デトリタスに巣くう微生物類

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ヒゲゴケ処理に関する過去の投稿はこちら

ヒゲゴケ処理のバケツからライブロックを取り出し水槽へ戻してから数日が経過しました。それ以降、水槽側の硝酸塩を頻繁に測定していますが、今のところ硝酸はゼロのままです。約一ヶ月間、硝酸50ppm以上の海水に浸かっていたので僅かながら出てくるかと思っていましたが、どうやら多少の流出があったとしても、砂による脱窒で完全にクリアされているようです。もう少し様子を見てから、例のライブロチェックに取りかかりたいと思います。

ところで、バケツでライブロックを濯いだ際、微少なコペポーダ類が結構見られました。それまで目視による確認ではこれらの生物はほぼ壊滅していたように感じていただけに意外でした。硝酸が50ppm以上あっても、思ったほどの影響は受けていないようです。

では、更に微細な微生物類はどうでしょうか?

相変わらず硝酸塩の高いバケツから、少しデトリタスを取って検鏡してみる事にしました。

バケツに溜まったデトリタス

写真のように、ホンの数ccのデトリタスを抽出。
そこから更に1滴ずつ、スライドガラスに載せ、カバーグラスを乗せます。
平均的な分布を確認するために、これを5回程度繰り返しました。
その中から確認できたものを動画にまとめました。いずれも1200倍率です。

これまた意外と生存者が確認できました。
ほとんどが線虫類などのニョロニョロ系でしたが、僅かながらのピコピコ類も確認できました。正直驚きました。リンとは違い、窒素に関してはかなりの耐性があるようですね。とは言え、ピコピコ系がほとんど確認できなかったのが気がかりですが。。。ニョロニョロ系による捕食、あるいはやはり高濃度の硝酸塩による影響かしら?

ちなみにデトリタス1滴の平均値として、線虫などのニョロニョロ系は10~20体は含まれていました。かなりの高密度です。(自然下ではもっと凄いでしょうけど)
ただ、ピコピコ系はどんなに多くても10体居るか居ないかのレベルでした。

さて、ついでなので水槽の方も見てみることに。
ちなみに水槽の方は目に見えるデトリタスは存在しませんが、きっと砂の中にスポイトを差せばモクモクとデトリタスが抽出できるだろうと思い、いざ、試してみました。

砂に差したスポイト

ところが、どこを差しても何度やっても、透明な海水しか吸い込めません。
うーん。。。
確かにある程度はデトリタスが砂の中で分解されているだろうとは予想していましたが、こんなに高効率で処理されていたとは驚きです。今日は驚いてばかりです。
仕方がないので、この透明な海水を1滴ずつ調べてみることにしました。

するとなんと!?
予想に反してピコピコがいっぱいいました!!

砂の中凄ぇ~。。。
体感的には、砂の中の海水1滴あたり、50体は下らない高密度のピコピコが確認できました。多くは鞭毛虫の仲間だと思いますが、中には訳のわからないものもいくつか見られました。サイズ的には、動画の縦横がおよそ1×1mmほどなので、写っているものは5~100μmほどの微生物です。詳しくは判りませんが、とにかくこいつらが細菌を摂取したりデトリタスの分解に携わったり、ここから食物連鎖が始まると言えるので、ニョロニョロ系も含め非常に頼もしい砂の番人です。
逆に今回の方法ではニョロニョロ系は一匹も確認できず。。。ま、砂にスポイト差してもフィルター越しに海水だけ吸うようなものなので、これでは仕方ありませんね。しかし実際にはウヨウヨいるはずです。線虫はこの世でもっとも栄えている生物らしいので。

今回判ったことは、

  1. 硝酸が高濃度でも、意外とニョロニョロ系は繁栄していた
  2. しかしピコピコ系はほとんど見られなかった
  3. 硝酸ゼロの水槽の砂からは多くのピコピコ系が確認できた

デトリタスと砂の比較と言う、方法こそ違いはあれど、逆に水槽にデトリタスがあったら、もっと多くのピコピコ系が確認できたと思うので、これはこれで良い結果が得られたのだと思います。

ちなみに現在の水槽は砂は薄く敷いてあり、スポイトもさほど深く差していないので、いずれも好気的な環境からの抽出と言えます。もっと深く砂を敷いていたら、更に面白い観察が出来たかも知れません。特に線虫類は砂の深い嫌気的な環境が大好きなので。

皆さんのナチュラルシステムの水槽でも、きっと砂の中ではこんな光景が繰り広げられていると思います。サンプに溜まったデトリタスの中でも同様です。つくづく生き物の世界って凄いですね♪
これからはデトリタスを掃除するのが勿体なくなりそうです(笑)

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LED電球の選択肢

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過去のLEDに関する投稿はこちら。

今回、僕のミニ水槽の代替え照明として、これまでの東芝ネオボール21W(電球100W相当)をやめ、東芝のE-COREシリーズの新製品 LED電球6.9W(電球60W相当)をチョイスした訳ですが、これには以下の目論見がありました。

  1. 熱の回避
  2. 省エネ
  3. LEDの分光分布の水槽に対する有効性の確認
  4. 汎用性・低価格

「低価格」を無視するなら、同じ東芝から100W相当のLEDランプも実売1万円程度で提供されています。しかし、全光束が 595 lm しかなく、現行の6.9WのLED電球の 565 lm と大差ない点から、投資効率が悪いと判断しました。しかもランプ先端の径が 121 mm もあり、6.9Wの 60 mm と比べても倍以上のスペースが必要になります。

LEDの性能・効率は、ここに来てずいぶんと改善されてきましたね。エコブームの助けもあってか、めまぐるしい技術の進歩だと感心させられます。
ほんの少し前のLED電球なんて、せいぜい100~200 lm 程度の光束量しかありませんでしたが、先月あたりから続々と市場に現れたものは、スペックを見ても十分に蛍光灯の代役を任せられそうなものばかりです。

ようやくLEDも水槽照明として視野に入ってきましたね♪

以下、現在市販されている同型のLED電球を探してみました。

LED電球 - 電球60W相当/白色/E26/AC100V

メーカー 東芝 シャープ 丸善電機 エコリカ
型番 LEL-AW6N/2 DL-L601N ANAMEA 100V35D ECL-ELBF60WH
画像 東芝 LEL-AW6N/2 シャープ DL-L601N 丸善電機 ANAMEA100V35D エコリカ ECL-ELBF60WH
発売年月 2009/7 2009/8 2009/7 2009/6
色温度 K 5,000 5,000 6,500 7,000
演色評価数 Ra 70 - 72 80
全光束 lm 565 560 150 140
消費電力 W 6.9 7.5 3.5 3.0
重量 g 140 158 150 200
寸法 mm φ60×109 φ60×114 φ52×99.5 φ74×142

実売価格:いずれも4,000円弱程度
設計寿命:いずれも40,000時間

ネット通販や量販店で買えそうなメジャーなものに焦点を当てました。
が、スペックに注目です。

このうち水槽照明として使用に耐えそうなものは、概ね東芝とシャープくらいでしょうか。丸善とエコリカには申し訳ないけど、このスペックじゃアクアリストを納得させられませんね(アクア用じゃないっての(^^;)
但し、丸善は期待できそうなブツを持ってるので、近く販売開始されるかもね?
また、価格に目をつぶるなら、エコリカのECL-PRシリーズもアリでしょう。

今回のLED電球は、まだ導入したばかりなので水槽での効果が見えませんが、引き続きレビューしていきたいと思います。

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