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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

BioPellets実験3:開始4週間の推移

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バイオペレット実験パート3も、開始から4週間目を迎えました。
以下、各実験槽の一週間毎の硝酸塩濃度の変化です。

バイオペレット実験3の4週間の硝酸塩推移

うーん。。。
これはもう、どう考えても可笑しい。。。
ここまで頑なに挙動を曲げないなら、そろそろ答えを出すしかない。

バイオペレットは、メディアを流動させすぎると脱窒能が現れない、あるいは硝酸塩濃度を上昇させる可能性がある、と。例えば、バイオペレットを濾材とした硝化菌の増殖とか。まあ、あくまで可能性に過ぎないが。

改めて上記実験内容をまとめてみよう。

  1. A、B、C槽すべてに於いて、砂とエアレーションによる基本的な脱窒を備えているため、全槽で同等の硝酸塩の減少が緩やかに発生しているはずである
    (A↓)(B↓)(C↓)
  2. C槽には更に砂の上にバイオペレットを撒いてあり、硝酸塩濃度がA槽よりも常に低く推移していることからも、このばら撒いたバイオペレットも脱窒に大きく寄与していると思われる
    (A↓)(B↓)(C↓↓
  3. B槽には更にバイオペレットを収容した流動フィルターを投入してあるが、硝酸塩濃度がA槽よりも常に高く推移していることからも、この流動フィルターが何らかの反応によりB槽内の硝酸塩濃度を上昇させていると思われる
    (A↓)(B↓↑)(C↓↓)

よって、B > A > C と言う硝酸塩濃度の関係が現れていると思われる。

とりあえず、B槽の流動フィルターの流量を極限まで下げてみた。
これで来週どうなるか見てみたいと思う。

さて。
現在、バイオペレットは以下のブロガー、メーカーが実験を行っている。

TAKA氏、johnny氏からは、まだ良い報告は聞かれない。やはり僕の実験と同じように、リンは下がるが、硝酸は下がって来ないようだ。
しかしLSSのブログによれば、現在までにそれなりの硝酸塩の減少が得られているらしい。また、LSSでは途中でメディア量を減らし、流動フィルター内でのバイオペレットの撹拌を改善した、とある。例えメディア量を減らしても、メディアの撹拌を優先した、と言うことだろう。それが功を奏したのだろうか。。。

僕が簡易的に作成した流動フィルターは、構造上、フィルター自体の流量と内部のメディアの撹拌は独立して設定することはできない。ここに何かヒントがあるのかも?

適切な撹拌適切な流量、もしそれらがバイオペレット運用に於いて必須であるなら、現時点ではそのベストポイントを見つけるのは至難の業であるような印象を受ける。流量は良いとして、特に撹拌については、その度合いを表す単位がないし、バイオペレットのメーカーがメディアの流動具合を動画で公開でもしない限り、ユーザーは非常に掴みようのない設定に迫られることになるだろう。

少なくとも既成の流動フィルターを持たない僕の実験では、これ以上の追求は意味を成さない気がしてきた(汗)
あとは流動フィルター運用者の実験データに任せ、僕は頃合いを見てフェードアウトしようかな、と思い始めているところです(汗)

とりあえず今回の実験から僕が言えることは、バイオペレットをサンプに放り込んだだけでも効果はあるよ、ということ。下手にグルグルするよりは、その方が安全だろう。
しかしそれ以上を望むなら、他の実験データを待て、と。
これでリーチかな(苦笑)
だって、この実験だけで試薬が3箱目なんだもの(曝)

あ。そう言えば、先日エロスの硝酸塩試薬に乗り換えましたが、比色が捉えやすいね♪
これは、試験管がガラスだから屈折率のお陰なのか、はたまた試薬の精度のお陰なのか、レッドシーより微妙な違いが比較しやすい気がしますね。

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BioPellets実験3:開始一週間の推移

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6/30から再開したバイオペレット実験第3弾から一週間が経過しました。
相変わらず厳しい結果に戸惑うばかり。。。

バイオペレット実験3の開始から一週間の水質推移

A槽とC槽の関係では、これまで通り一貫して同じ結果が出ています。バイオペレットを砂の上にばら撒いた方が、砂だけの時よりも確実に脱窒量が大きく得られています。これについては勿論バイオペレットの効果なのだろうと、既に結論付けています。

問題はB槽。これまでも幾度に渡って流動フィルターの構造を見直してきて、今回も自分なりにベストな条件を作ったつもりでしたが、どうにもうまくいかない。前回もうすうすは感じていましたが、どうもバイオペレットを流動させていると、硝酸が下がらないか、むしろ増えてくる(厳密にはA槽が緩やかに下がり、B槽が不変で置いてけぼりなので濃くなって見える?)ようにも見えてました。そして今回も。。。

一週間目の硝酸塩濃度(5倍希釈)

なぜにB槽がA槽よりも濃いのだろう。。。苦笑

バイオペレットの流動度の設定は、そんなにシビアなのか?
流動しすぎると、効果が出ない、あるいは他の影響が出てしまうのか?

今、ひとつの可能性を疑ってます。

バイオペレットは炭素源ではありますが、生分解性プラスチックというだけあって、ある意味プラスチックの濾材です。ここに、通水によって一般的な硝化菌が召喚されてしまう、と言うことは考えられないかしら?と。

そして、D-PAOの増殖速度と硝化菌の増殖速度、どっちが早い?
経験的には、有機物を利用する従属栄養細菌であるD-PAOの方が、独立栄養細菌である硝化菌よりも速いように感じてます。
とは言え、通水(窒素源と酸素の供給)と言う硝化菌にとっての好条件を与えれば、少なからず両者の競争が発生するのかも知れません。そして、現にB槽での脱窒量がA槽にも及んでいない事実から推測すると、既に勝者は硝化菌なのだろうか?という不安にも刈られます。

今回はB槽にも独立した曝気を与えているので、本来ならA槽と同等の砂面による脱窒が得られているはずです。それでも硝酸塩濃度が濃いということは、それを打ち消して且つそれを上回る硝化が起きている、と考えればいいのだろうか。でも、窒素源はどこから?

そう言えば、海水はRO+DIで生成しましたが、砂は水道水で洗った気が・・・。勿論、濯いだ水は捨てて、砂だけを水を切って入れてますが、もしかして砂に付着した僅かな水道水の水滴から持ち込まれたのだろうか。。。詰めが甘い(汗)
いや、だけどその条件はABCすべての実験槽で同じなんだけど。。。

あ。仮に水道水からの僅かなアンモニア・亜硝酸があるとして、それが流動フィルターによって硝化菌が先に処理し始めているが、A槽やC槽は積極的な硝化菌環境がないので、未だアンモニア・亜硝酸は処理されずに漂っている。よって、今後A槽もC槽も徐々に硝酸塩が生成され始める?

知恵熱が。。。

RO水で砂を洗いなおして再開すべきかなぁ。。。

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BioPellets実験2:最終日14日目

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6/17から始めたバイオペレット実験2の14日目、最終日の報告です。

なかなかうまくいかないもんです。

バイオペレット実験2の最終結果

いつものように左からA槽、B槽、C槽です。
比色結果がいずれも濃くて各槽の濃度の差異が判りづらいので、敢えて比色1分後の画像(写真左)も用意してみました。C槽がもっとも薄いことは事前に判っていたので、敢えて試薬投与はC槽から始めています。それでも尚C槽が薄いことを見てもらうためです。
この結果では、C槽の硝酸が最も低く、目視で約20ppm、次いでA槽で20ppmちょい、B槽が一番高くて30ppmくらいはありそうです。

但し注意点としては、当初の試薬で20ppmで開始しましたが、先の案内の通り途中で試薬が新しくなり、極端に比色が濃くなったため、最終的に開始時よりも比色の濃い値での終了となってしまったことです。
しかし実際には硝酸塩は開始時から徐々に低くなっていって終了したはずで、あくまでも比色結果は試薬の差だと判断しました。
また、途中で試薬を変えると混乱の元だと反省し、たとえ試薬の値にずれがあろうとも、実験中は一貫して同じ試薬で通すべきだと認識しました。最低でも低くなっていく経過が判れば良いと思うので。

で、何が難しかったかと言うと、エアレーションを利用した流動フィルターの実現です。バイオペレットの撹拌を優先すると槽内の水流が確保できないし、かと言って水流を優先するとバイオペレットの通水が得られないし、通算で5回以上作り変えましたが、結果は上の写真をごらんの通り、A槽の砂による脱窒にも負ける有様。。。これは水流の確保と流動フィルターの撹拌をひとつのエア源で一元化することにこだわった報いだと反省し、第三弾ではエアレーションと流動フィルターのエア源を分離し、個別に設置して再スタートしようと思います。

結局、バイオペレット実験2でまともに得られたデータは、A槽とC槽の比較でしょうか。A槽では砂だけの脱窒、C槽では砂の脱窒に加え、砂の上にばら撒いたバイオペレットによる脱窒があり、当然C槽の方が硝酸塩は若干低くなった、と言う結果に落ち着きました。しかし濃度の高いものどうしの比較なので、判ったような判らないような曖昧な結果ですね(汗)

さて、バイオペレット実験3の準備ができました。

バイオペレット実験3の設備

A槽は今までと同じ構成で、砂とエアレーションのみ。
B槽はA槽と同じように独立したエアレーションを設置し、それとは別のエア源を利用した流動フィルターにバイオペレットを収容して設置しました。
C槽も今までと同じ構成で、砂とエアレーション、そして砂の上にバイオペレットをばら撒いてます。

但し、B槽とC槽のバイオペレット量はこれまでの2倍(規定量の2倍、各4cc分)にしました。これはより早く実験結果を出すためです。生体は入っていないし、水質を見るだけなので、特に問題は無いと考えてます。

更に、第三弾では低い硝酸塩濃度から開始するため、第二段のA槽の海水を希釈し、約3~4ppmの硝酸塩濃度の海水を作って、それを各槽に1Lずつ投入しました。これはB槽やC槽の海水を使うと、バイオペレットによる過剰な細菌が含まれる可能性があり、それが結果へ影響を与えることを危惧したためです。事実、最終日でのB槽の海水はA槽よりも若干黄ばんで見えました。バイオフィルムの剥離したような浮遊物も無数に確認できましたので、何らかのバイオペレットによる影響だろうと推測しています。また、このことからバイオペレットの撹拌が強すぎた感もあるので、第三弾では独立したエアにより撹拌量を細かく調整しようと思います。

バイオペレット実験3の開始時の硝酸塩濃度は以下の通りです。

バイオペレット実験3の開始時の硝酸塩

これなら長くても一ヶ月もすれば結果が判るだろうと期待しています♪
写真では5ppmに見えますが、目視では3~4ppmと言う感じです。
これならA槽の砂だけでも早々にゼロになりそうな値ですけど(笑)

では、また定期的にご報告していきます。

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