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BioPellets実験:5日目

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開始4日目にして早くもリンをコンプリートした昨日のバイオペレット実験初日~4日目までの経過に引き続き、本日5日目の報告です。

バイオペレット実験5日目の水質

硝酸は相変わらずですが、今日はC槽の硝酸値が一番高いと言うのをお見せするために、試薬投入直後の画像(右下)も用意しました。真っ先に赤くなるので、それだけ高いってことでしょ?
ちなみにA槽もB槽もほぼ同じ硝酸濃度ですが、50ppmと言うよりは、それより少し20ppm寄りの薄さになりました。40ppmくらいかな?
とは言え、そろそろ少し差をつけてくれないと、バイオペレット実験としたは困るなぁ。。。

ところで、B槽のリンに若干の上昇が見られました。0.01~0.02ppmあたりかしら?
原因としては、確かに水質検査のために毎日少しずつ海水を抜いていたので、各ペットボトルの水位が下がり続け、B槽とC槽については流動フィルターからの海水の戻りが悪くなってました。これによって、またもや槽側の撹拌(水流)が弱くなってたようです。そのため、槽側が少し還元に傾き、不溶性リンあるいはバクテリアに同化(吸収)していたリンが少し開放されちゃったのかな?

一応、現在の実験槽の簡単な構造図を用意しました。実際はペットボトルです。

バイオペレット実験フロー

A槽はエアストーンが全体を曝気してるので、水位に関係なく常に対流が得られます。

一方B槽とC槽は、ちょっと手抜きな構造で(汗)、流動フィルター内の上昇流にエアを利用し、そのエアが流動フィルター上部の穴から抜ける際に曝気と噴出流を発生させ、槽側へ下降流を生む仕組みになっています。それがまた流動フィルターの底部から吸い込まれるという訳です。
しかし、このペットボトルの水位が下がると、流動フィルター上部の穴からはエアしか抜けず、海水の行き来がなくなるので、槽への対流が発生しません。しかも流動フィルターと槽側との水路が分断されるため、流動フィルター内のみがエアによって好気的となり、槽側はエアが供給されず嫌気に傾きます。その上、流動フィルター内の海水にのみ脱窒と脱リンが得られ、槽側にはその恩恵が及びません(流動フィルター底部の穴を介した勾配は多少得られるとは思いますが)

と言うわけで、現状の構造上の問題から、水位にはくれぐれも注意が必要になります。
ま、より複雑にすれば確実な構造にもできるんですが、手間や簡素化など様々な要素を天秤に掛けた末、現在の仕様に落ち着きました。でも、せめて穴の位置をもう少し下にしておけばよかったなぁ。。。汗

さて、補充に使う海水は、原水が良いか、あるいは僕の5L水槽の海水が良いか、どうしたもんか。。。ま、なんとか対処していきます。

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BioPellets実験:経過6/10~6/12

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6/9から開始したBioPellets実験の6/10~6/12までの経過報告です。
若干のトラブル(汗)もあったものの、比較的順調?に進んでおります。

まず、開始時の実験方法をおさらいします。

各実験槽の様子

  • A槽は、海水と砂のみで曝気。
  • B槽は、海水と砂、そしてバイオペレットと曝気。
  • C槽は、海水と砂とビオアクア、そしてバイオペレットと曝気。

実はここで少しトラブルがありました。
A槽はエアストーンにより十分な曝気と対流が得られますが、B槽とC槽はエアの用途を流動フィルターの撹拌にウェイトを置いたため、槽自体の曝気や撹拌(水流)がかなり足りていませんでした。その違いが2日目の結果に大きく出てしまいました(汗)
そこで2日目に急遽流動フィルターの設計を変更し、流動フィルターの循環量を増やし、槽への戻りを大きくしました。これにより、A槽並みとはいきませんが、ある程度はB槽C槽共に曝気と対流が得られるようになりました。
その辺のことも踏まえ、以下の経過報告をご覧ください。

6/9 バイオペレット実験開始

送られた海水の栄養塩

開始時の各水質は、硝酸が50ppm以上、リンが0.25ppm程度。

6/10 バイオペレット実験 2日目

6/10の水質比較

注:目のマークは画像では伝え難い目視による微妙な比色の濃淡差を表したものです

画像では判りにくいが、硝酸塩はAがやや低くなり、BとCは特に変化が見られなかった。とは言え、依然と50ppm以上はありそうだ(汗)
また、リン酸塩はハッキリとAが薄くなり、やはりBとCは変化が見られなかった。
このことから、Aと同じ条件を持つはずのBとCに曝気と撹拌が足りないと判断し、条件をそろえるため流動フィルターの構造を見直して改善してみた。
ちなみに砂だけでも硝酸・リン共に処理能が高いことが改めて判った。なるほど。うちの5L水槽でもリンが出ない訳だ。PAO(脱窒性脱リン細菌/D-PAO)が普通に働いているのだろう。但し、これではバイオペレットの実験結果としては困る(汗)

6/11 バイオペレット実験 3日目

6/11の水質比較

前日の改善は、すぐにリンの挙動に現れた。Cが一気にAを抜き、BもAに追いついた。
但し硝酸塩は依然とAが好調。Bは少し差を縮めてきたが、Cが依然と高いままだ。
これはきっと、C槽に入れたビオアクアが栄養負荷になっているのだろう。1Lに対して耳掻き3杯は多かったかなぁ・・・汗

6/12 バイオペレット実験 4日目

6/12の水質比較

なんと、B C共に早くもリンが消滅してしまった(汗)。これがバイオペレットの威力なのか!? あのツブツブを僅か2ml分入れただけなのに! 凄ぇよ凄ぇよっ!
とは言え、硝酸塩は初期値が高すぎたかな。。。まだまだ道は長そうだ。。。汗
ちなみに硝酸は見た目いずれも50ppm以上の高い値を示して見えるが、正直に言えば、試薬投入後に真っ先にCが赤く反応するため、Cが最も高いのだろうと思う。
ただ、Bはこの時点で、Aにほぼ追いついたようだ♪

また、4日目の今日は面白いことを発見した。
C槽にシアノバクテリアが発生したのだ(汗)

C槽に発生したシアノバクテリア

ビオアクアはバクテリアと共に栄養負荷となるオカラが入るので、一長一短があるようだ。よく考えて使用しないと諸刃の剣となるだろう。また、間違った評価を生まないためにも、短絡的な考察に注意して、結果を見極める目を養いたい。少なくとも水量に対して適切な添加量に心がけていれば、決して問題は無いだろう。

そして、ここで更に深く考えてみる。
一般的にシアノはリンが高いと出やすいと言われるが、今日のリンはA槽がもっとも高い。と言うことは、A槽にシアノが出ても可笑しくは無い。しかし、A槽にもB槽にもシアノは出ていない。出たのはC槽だけだ。
さあ、何故でしょう?

リン試薬で測定されるのは水中を漂う溶解性のオルトリン酸であり、沈殿している不溶性リンは検出できていない。そのため、海水中のリンはゼロでも、沈殿したリンは存在していて、シアノはそれを利用していると言うことになる。また、A槽とB槽にシアノが見られないのは、C槽のビオアクア由来のバクテリア量に負けていること、更にビオアクア由来の栄養源(炭素)が存在しないからだろう。これはPAOのような脱窒菌の性質でも判るように、活動に必要な炭素源があってこそ、リンを吸収し、脱窒を引き起こすと言える。シアノについても、オカラとリンを元に成長が促進されているのだろう。総合的に見てC槽では、ビオアクアの栄養源をベースとして、より活発に各バクテリアが活動し、B槽以上にリンの吸着・沈殿(一極集中)に繋がっているとも考えられそうだ。

本日までの結果としては、

  • A槽は炭素源が無く、砂面で僅かに反応が見られる程度。特に今は、リンの減少率が鈍ったことからも、初期の僅かな炭素源も使い果たした感がある。
  • B槽も同様だが、バイオペレットによる反応が活発であるため、リンは減少を続ける。
  • C槽はB槽の反応と合わせ、一見ビオアクアによる栄養負荷が高く感じられるが、それ以上にバクテリアの活動が活発であり、最終的なリン低下に大きく寄与している。

こんな感じかしら。

まずは、リン処理についての結果は既に出たと言って良いと思う。
バイオペレットによって、明らかにリンは速やかに処理されたわいな!
しかもこんなに早いとは意外だった。もし曝気と撹拌のミスが無かったら、更にもう一日早く結果が出ていただろう。恐るべしバイオペレット!!!
但しこれは、立ち上がっていた海水と砂を用いたことで、必要な細菌群が満たされていたことにも起因するだろう。立ち上げ直後の水槽へバイオペレットを導入する際には、やはり少し時間を見た方が無難だと思われる。
また、C槽の結果からも判るとおり、ビオアクアによるバクテリアと炭素源の供給は少なからずリン処理に役立ったと言えるでしょう。ただ、B槽でもそれなりの結果が出ているので、無理にビオアクアを併用する必要性は感じられない。もしそれでも併用するなら、ご利用は用法・用量を守って正しくお使いください♪

さて。硝酸があまりに高すぎて気が遠くなるので、しばらくしたら一旦リセットして、少し希釈した状態から再開しようと思います(汗)
引き続きお楽しみに♪

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LEDライト:SolarMax Advanced LED system

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今回はSolarMaxのAdvanced LED systemというLEDライトのご紹介です。reef builders(英語)にもレビューがあるのでご参考に。

国内ではLSS LaboratoryからIllumination LED “Nano”(以下Nano)として近日発売が予定されています。製造元は中国のAD照明で、北京オリンピックの照明設備でも実績のあるメーカーだそうです。

SolarMax Advanced LED system

先日、やどかり屋経由でこのNanoを拝見する機会がありました。きっと僕が見たいだろうと、店長のゆうぞう氏が気を利かせてくれたようです(笑)

確かに以前から興味はありました。出力こそ36Wですが、レンズを搭載していること、調光できること、オプションでコントローラーが使えること、そして何より本体価格が社会通念上常識の範疇であること(笑)など、小型水槽向けLEDライトとしては、なかなか十分な照度が得られるのではないか?と期待しておりました。

SolarMax Advanced LED system - 製品外観

Nanoは、最大幅約30cmの小型LEDシステムライトで、付属のステーを用いて水槽に直接セットすることもできますが、ワイヤーでの吊り下げにも対応しています。また、複数台を連結して利用することにも対応しているそうです。

更に注目は、その大きな集光レンズです。今流行りの拡散処理が施された3素子集合レンズを採用しています。これにより光色が満遍なくブレンドされるため、多様なカラー素子を混合しても、旧クリアレンズ採用品で見られた色ムラの心配がありません。
また素子自体はそれぞれ3Wで駆動され、3W×3=9Wを計4モジュール搭載し、製品トータル36Wと言う省エネ設計です。
たった36Wかぁ。。。でもご安心ください。そのための集光レンズです♪
ちなみに標準レンズは60°ですが、オプションで30°や45°も用意されているので、スポットとしてより集光したい場合にはありがたいかも?

そして、一番の売りは調光機能でしょうか。元々、オプションのコントローラーにより調光できることは知ってましたが、実は本体自体にも2系統の調光つまみ(細いマイナスドライバーが必要)が搭載されているのです。上記のモデルの場合、青と白をそれぞれ独立して光を強弱させることができるのです。ほほう!
実は僕は今まで、無駄に価格高騰の要因ともなる多機能化には反対派でした。特に低スペックを多機能で誤魔化すのは大嫌い。もちろん、調光機能も目の仇でした(笑)
しかし、この価格帯で実現できるなら、それに越したことは無いですよねぇ(汗)

さあ、この仕様で、なんと本体が5万ちょいで買えるとのこと♪
現在、市販されているLEDシステムライトの中では最安値だと思います。

え? まだ少し悩みますか?
ま、肝心の水槽照明としての明るさが気になりますからねぇ。。。

では、実際の配光状態と照度結果をどうぞ。

SolarMax Advanced LED system - 配光と調光

あくまでも僕調べですが、最大で23,480lx/30cmでした。最小は347lxから。
また、白のみ最大9,000lxオーバー、青のみ最大15,000lxオーバーでした。

で、これが水槽照明として明るいのかと言うと、まあ明るい方だと思います。なんせ総出力たったの36Wですからね。前回紹介したmax-sは160Wで22,190lxでしたから、max-sの1/4以下の電力で同等以上の照度を実現していることになります。レンズが無いと如何に暗いか、レンズがあれば如何に省エネで高照度が得られるか、の良い例でしょう。

但し勘違いの無いようにお願いしますが、レンズと言うのは広がるはずの光を中央に集めて明るくしますから、光が増える訳ではないです。光源の光束量は所詮同じですから。なので、当然レンズで集光すればするほど明るくはなりますが、照射範囲は狭くなります。ま、今更ですが、念のため。

その他、いくつかの点について今回LSSへ改善のアドバイスをさせていただきましたが、早速対策が講じられたようです。詳しくはLSSブログをご覧ください。

今回、僕は初めてLSSとやりとりさせていただきまして、改善への対策が早いことにも驚きましたが、ユーザーの意見に耳を傾ける姿勢にも大いに感心いたしました。特に僕は思ったこと遠慮なくぶつける性格ですが、そんな容赦ない突っ込みにも怯むことなく、すべてを前向きに受け止めてパーフェクトに応えてくれました。それどころか感謝までされる始末。。。
正直、機嫌損ねるかなぁ?くらいの覚悟だったので、良い意味で拍子抜けです(笑)

僕は普段お世辞にも人を褒めることは無いですが、ここのリーダーは大したもんです。いずれ決着をつけねば(笑)

さて、ここまでの紹介で、決心はつきましたか?
レンズ付き、調光機能つき、5万ちょい、メーカーのキャパ。
あら。向かうところ敵無しじゃん♪

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