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自作LEDブレンドのスペクトル分析

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先日ご紹介した自作LEDブレンドの続報です。

オリジナルLEDブレンドの配光

このオリジナルLEDブレンドは、色味的にはアクアブルーなのですが、Grassy LeDio 9 Aqua400UVよりも遥かに白に近く、極端に言えばPearlWhiteよりも白らしい白です。そしてこのランプに照らされた水景は、黄ばみも無く、それでいて鮮やかな色彩を放ちます。特に石灰藻の赤みが映えるんですよ♪ (詳しくは前回の記事の画像を参考に)
ちなみにメタハラでこの色味を味わおうと思ったら6500Kあたりが必要ですが、普通ならそれと引き換えに黄ばみも強くなりがちです。でもこのランプなら(以下略)

さて、せっかく選りすぐりのLED素子を組み合わせて完成した夢の究極LEDランプ(自称)ですが、今のところ目立った効果は出てません(曝)
これが当たっているサンゴも当たっていないサンゴも、どちらもすこぶる元気なのでサッパリなんだぜ。。。

一方、このランプが果たしてどんなスペックをまとったのか非常に気になるところですが、とは言えなかなか量る手立てがありません。勿論、素人が作ったおもちゃを工業試験場に持ち込んで分光スペクトルを測定してもらうなんて、予算的にも絶対にありえません(曝)

そこで、光に詳しいハナアレジーさんに助けを求めました。なんと彼は光に携わる光のスペシャリストなんです♪
僕の質問は、果たしてLED素子の光束とスペクトルから、合成スペクトルが計算で導き出せるのかどうか? と言うもの。
答えは、

できますよ♪

そんなあっさりとっ!?
なんでも、素子のスペクトルと光束を比視感度に再配分して積分すればOKとのこと。
なるほど。積分ですかっ!
・・・積分てなんだっけ?(曝)

そうして挫折した僕を尻目に、ハナアレジーさんから算定いただいた今回のオリジナルLEDブレンドの特性は以下のようになりました。ついでにLeDio 9シリーズも一通り出していただけた(メーカー公称値とほぼ一致!)ので、その中から比較的僕のランプに近い特性を持つGrassy LeDio 9 Aqua400UVと比較してみました。以下の図はそれを元に僕が新たに描き起こしたもので、ついでに以前何度か紹介した光合成色素の吸収スペクトルも重ねてみたので併せてご紹介します。

計算により弾き出されたオリジナルLEDブレンドのスペクトル特性

左がLeDio 9 Aqua400UV、右がオリジナルLEDブレンド。
基本的な造礁サンゴの要求波長と、更にスギノキブルーが欲する波長を強化してあります。これは市販のLED製品では未だ実現できていない夢のブレンドです。
が、大人の事情により詳しくは割愛します(汗)
ひとつだけ言うと、誰も知らないような謎の素子が入ってます(笑)

とは言え、パッと見、同じですよね(曝)
よっぽど鋭い人じゃないと気づかないかも。。。
でも今はそれで良いのです♪
と言うか、想定していた特性をかなり下回ったので、結構ショックだったりして(涙)
ま、素人の工作なんて、こんなもんです。

イヒッ♪

と言うわけで、次回作にご期待ください(汗)
ご協力くださったハナアレジーさんに感謝いたします!

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max-sフレネルレンズ仕様

この記事を含むタグの全記事リスト: LEDライト max-s Maxspect

max-s既存ユーザー、および検討中のアクアリストに朗報です。

max-sについては以前の記事でもご紹介しましたが、当時の僕の率直な印象としては、どんなに素子数や出力を稼いでも、所詮裸のLEDだけではメタハラを謳う光量は得られず、また広角な光をもれなく有効利用するために水面ギリギリへ設置すると、水跳ねや塩害の心配はもちろん、メンテナンス性も損なわれてしまうなど、色々と弊害が伴うだろうと感じました。やはりシステムライトと言えども、LEDを使うからには何かしら集光するためのレンズが必要なのです。

実はその後も販売元のオーシャンアースさんとは裏でごにょごにょしておりました(笑)
当時からもオーシャンアースさんは僕のレンズの考察に対して非常に前向きに検討され、製造元に何度も掛け合ってレンズの実装に向けて積極的に取り組まれたようです。

その結果、いくつかの案が絞り込まれ、まずは専用のフレネルレンズを試作されました。フレネルレンズとはプラスチックのシート状のレンズで、過去の記事でも触れましたが、詳しくは検索してください。ここでの説明は割愛します。

そして先日、その試作レンズと試験のためのmax-sスタンダード機が届けられました。

max-sスタンダード機と試作フレネルレンズ

写真上に見える丸いポコポコが付いたアクリル板が、今回max-s専用に試作されたフレネルレンズです。写真では凹凸のある半球レンズにも見えますが、実際はただの平坦なアクリル板です。それがフレネルレンズの特徴です。

しかもただのフレネルレンズではありません。

フレネルレンズ

きっと、これ作るだけでもビックリマネーが吹っ飛んだはずです(汗)
表面は通常のフレネル加工で細かな溝が施されていますが、裏面には光を均一にブレンドするためのフロスト加工が施されてます。それが素子の数だけ用意され、一枚のシートに収められています。

ちなみに、このフロスト加工付きのフレネルレンズの装着方向は、あくまでもフレネル面を水槽側へ、フロスト面を素子側へ、とするそうです。それにより設計上の特性が得られるとのこと。実際の試験でもその方が逆向き時よりも照度ピークは低くなったので、これは光が中心に偏らず広範囲に均一に広がっていると言う証拠なのでしょう。やや腑に落ちませんが(笑)

さ、能書きはこれくらいにして、その実力を見てみましょう♪

フレネルレンズ装着データ

なんと!?
このフレネルレンズを装着しただけで、純正の約2倍の照度が得られました!
装着と言っても、純正の前面アクリルカバーを外し、代わりにフレネルレンズシートをセットするだけの簡単作業です。要するに、既存ユーザーにも希望の光が射したということです♪
・・・と言いたいところなのですが、このレンズ、判る人は判ると思いますが、メチャ高いんです。金型作るだけでも50万は固いでしょう。しかもmax-sには8タイプの製品があり、全ての製品向けのレンズを製作すると・・・max-sを100台売っても回収できません(汗)
と言うわけで、このフレネルレンズが日の目を見ることはまず無いでしょうね。。。
僕も何度もお願いしてみましたが、とにかく先立つものが無ければ。。。汗

じゃ、何が朗報なんじゃぁぁぁっ!?

ふふふ。まぁ、落ち着きなさい。
このフレネルレンズはあくまでも「いくつかの案のひとつ」。本命ではありません。
実はね。。。
いや、まだ詳細はオフレコなんですがぁ。。。
でも少しだけ。

50,000lxオーバー by 30cm照度♪

これがmax-sの照度革命第二弾の成績です。
純正の3倍弱かっ!!!
これぞメタハラ250W置き換えLEDマシン!

但しこの試作案はフレネルレンズによるものではありません。
うーん。。。歯がゆい。
じゃ、雰囲気だけ。

新max-s

こ・・・これは凄い!?(曝)
もしこれが発売されれば、アクア業界のシステムライトはeco-lampsのKR92Maxspect max-sの高次元争いになるのは必至です。元々KR92はメタハラ250W置き換えを謳うモンスターライトでしたが、このmax-sが発売されればその存在を明らかに脅かすことになります。そして完全にこれらの独断場と化すでしょう。
うーん。。。他に参戦するメーカーさんはいないのでしょうか?
いつでもご相談に乗りますゆえ!

ちなみにmax-s第二弾については、実は僕もまだ現物を見て無いのでアレですが、これをご紹介できるのはそう遠くないみたい。果報は寝て待て♪

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BioPellets実験3(番外篇):リン添加試験

この記事を含むタグの全記事リスト: BioPellets実験

さて。バイオペレット実験3の定期報告の日がやってきました。
今のところ毎週水曜日にお届けしています。
って、終わる頃に紹介してどうする(汗)

前回の報告では、試験的にリンを各実験槽に投与してみる、とお伝えしました。
リン供給源には、リン酸とカリウムが主成分の液体肥料を用いました。
投与したのが先週金曜日。
投与量は、各実験槽に4滴ずつ、正味0.5ppm程度の投与となります。
果たしてそのリンはどうなったのでしょうか?

ジャーン!

投与したリンの変化

バイオペレット。やっぱあんた凄ぇわ。。。
砂のみのA槽も健闘しましたが、バイオペレットの入ったB・C槽は、過去の実験と同様、速やかに完っ璧にリン酸が消滅しました。0.5ppmが5日以内に消えるって、どうよ♪

リン酸にお悩みの方、もう何も迷うことはありません。
この脱リン能なら、換水よりも吸着剤よりも既存のどの方法よりも強力だと思います。
ま、あくまでも僕の実験での結果ですけどね。

ちなみに投与したリンの濃度に違いがあるのは、例のリン添加剤(笑)の容器だと、ポトポト落ちる液滴の量にかなりバラツキがあるため、同じ4滴でも写真のように差が出てしまいました。あしからず。

さあ、ここからが注目!
この脱リン経過と連動して、脱窒への相乗効果は現れたのでしょうか!?

ジジジャーン!?

先週からの硝酸の変化

おっと! 硝酸塩、死守に成功!(曝)
なんだよ。これっぽっちも変わんないよ。落ちたのリンだけかよ。。。

あ。ちなみに先週エロスの試験管を割っちゃったので、今回は試験管のみレッドシーです。試薬自体はエロスなのであしからず♪

と言うわけで、少なくとも僕の実験槽で戯れる細菌たちは、脱窒能を持たない一般的なPAO群による勢力が優勢であり、脱窒菌は普通に砂で活躍する分布量が関の山、ましてやバイオペレット表層で活躍する脱窒菌は皆無ないじゃない?と結論付けました。

うーん。。。何よりも、D-PAOが居なかったことが悲しい。。。
せっかくNP比とか、格好良いこと書いたのに(笑)

さて。
LSSの実験経過に続き、TAKA氏の実験でも硝酸が減少し始めたとのことです。まだ記事は投稿されていませんが、こちらに報告がありました。そのうちブログでも報告があるでしょう(笑)

面白いのは、LSSでもTAKA氏でも、僕とは違いリンは減らないまたは減り方が鈍いと言うことです。これが単に給餌によるものなのか、はたまた活動している細菌群の違いなのか、興味があるところです。

ところで僕はこれからどうするかな。。。
bio digestでも入れてみるか。D-PAOが入ってるらしいし。
なんか、どんどん実験の方向性が。。。曝

ま、もう少し続けてみます。
手詰まり、もしくは飽きるまで(汗)

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