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ウルマエビスヤドカリ/Catapagurus insolitus

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ヤドカリの新種情報です。
エビスヤドカリ属に新種が追加されました。

ウルマエビスヤドカリ/Catapagurus insolitus Komai & Osawa, 2009
(まだ未経験なので写真等のデータはありません)

先日、千葉の駒井先生から本種の記載論文を頂きました。
最近の論文には模式標本以外にも、標本写真や生態写真なども織り込まれ、英語の苦手な僕としても大変有り難いことであります(苦笑)。またこれは、より先生方の労力となっていることでしょう。本当にご苦労様です!

全ては書き出せないので(と言うか読めないので)、要約や標本情報から、軽く紹介したいと思います。

本種は、形態的には
コスゲエビスヤドカリ/Catapagurus kosugei (Asakura, 2001)
に極めて近似であるとのこと (この種自体、僕は未体験ですが)

また、本属としては希な特徴として、第二触角の触角棘(antennal acicle:基部が変形して棘状に分岐したもの)に複数の棘を備えているそうです。確かに模式標本からもその複雑な棘の様子がうかがえました。ちなみに、この触角棘の部位については、例えばヒメヨコバサミ属あたりが良く発達しているので、該当部を参照すると判りやすいと思います。

標本データによれば、ホロタイプは沖縄県名護市の水深10Mからナイトダイブにより2009/2に捕獲された甲長1.8mmの雄の個体で、パラタイプには雌雄合わせて11体が登録、いずれも沖縄県恩納村の水深10M前後からナイトダイブ(一部海底洞窟)により2003年に捕獲された甲長1.8mm~3.2mmの個体群です。

生態写真を拝見すると、形質的には僕も以前観察したことのあるウチウラエビスヤドカリのような印象です。 ただ、色彩はもっと繊細で、全体が白くやや透き通った体を持ち、さらに各脚の基部に純白のラメをちりばめたような、大変美しい装いのヤドカリです。

写真を見せられないのが辛い~っ。。。

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カマキリヨコエビ2

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ふたたび、カマキリヨコエビ。

たまたまガラス面越しに巣を作ってくれたので、観察してみました。

カマキリヨコエビの巣

カマキリヨコエビ

体長は約5mm。詳しい種名は不明。長い触角と鎌のような大きな鋏脚が特徴です。
但し、似たような形質のヨコエビはたくさんいるので、必ずしもカマキリヨコエビの仲間とは限りません。とりあえず今回は形と名前がしっくりくるので、カマキリヨコエビの仲間と言うことにしておきました(汗)

普段は巣穴から触角を出して、ごちそうが漂ってくるのをただじっと待っています。
時々ヤドカリが通りかかると、貝殻のコケ目指して飛びかかってます(笑)
僕的には、可愛いタンクメイトのひとりとして、毎日観察しています♪

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ライブロチェック:リハ途中経過

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現在おこなっているライブロチェックの、ライブロックのアク抜きと称したリハーサルですが、現在までに見られる人工海水+ライブロックでの硝酸塩の推移を比較してみました。

ライブロチェック・リハーサルの4日間の硝酸推移

やはりどう見ても、硝酸が上昇傾向にあるのが見て取れます。
この監視フローを設けておいて良かったです(笑)

昨日の投稿や掲示板でも懸念に触れましたが、やはり先日の和田さんの記事にもあったように、程度の違いはあれ、少なからず使用済みのライブロックからは硝酸塩は発生してくるようです。 そうなってくると、これらの硝酸も含め、益々水槽の硝酸がゼロだったのは、やはり砂の恩恵だったようですね。なめてました(汗)
砂の層で起こるワラワラ由来の各反応については、古くから良く知られている硝酸還元(脱窒)に加え、硫黄脱窒、嫌気性アンモニア酸化(Anammox)などについて今まとめているので、後日別途ご紹介します。

さあ、このリハーサルもあと幾度かの換水でクリアできればいいのですが、きりがない場合は、やはり入荷間もないライブロックで実験していく他なさそうですね。

上で、「使用済みのライブロックからは硝酸塩は発生してくる」と書きましたが、これが正しい表現なのか、まだ判りません。直接的にライブロック内に存在していた硝酸が流出したモノなのか、はたまたライブロック由来の窒素源を元に生成されたモノなのか、まだ何も根拠がないので言いきることは出来ません。

ところで、次回はもう少し精度を加えたいと思います。

  • 硝酸だけではなく、アンモニア、亜硝酸も監視する
  • なるべく新鮮なライブロックを用いる

試薬用意しなきゃ(汗)
ライブロックも、海藻あたりはトリミングした方が良いかな?
いずれにしても、古くから言われてきた常識を実証するのも覆すにも、それなりの精度の高い実験が必要そうです。

なお、次回との比較の意味でも、データを残すべく現在の実験は引き続き進めたいと思います。

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