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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

伝説の途中経過

この記事を含むタグの全記事リスト: eco-lamps KR93SP LEDライト

先日ご紹介したReef in the skyのAndrew氏の現在の水槽の様子ですが、その後、該当スレッドにAndrew氏からコメントが追加されました。
それを読んで、あぁ・・・そっか、と安心しました。そして、あの日伝説が始まってから、現在も順調に伝説が進行中であることを、やっぱりね、と納得しました。

では、Andrew氏のコメントの中からいくつか気に入った部分を勝手にご紹介します。
尚、翻訳はザックリアバウトです(笑)

The reason I switched was to try something new.
私が(KR93SPに)変えた理由は、新しいことに挑戦するため。

The light spread from one unit wasn’t enough so I got another unit. Having the second unit is much better.
1台では光量が不十分だったので、もう一台用意した。2台あると非常に良い。

The pictures were taken in the evening so yes, the LEDs were not at 100%.
写真は夜に撮ったので、LEDは100%ではなかった。

I don’t use the T5 lights anymore but just haven’t taken then down yet as I need a few extra hands.
私はもうT5は使いませんが、人手が必要なのでT5はまだ取り外していません。

All I can say is that I’m sure LEDs will be the future.
私は将来LEDになっていくことを確信しています。

なるほど。。。どうりで暗いはずです。夜に撮ったのなら。
とんだ気苦労だったか。。。

夜に撮影されたAndrew氏の水槽

なんか、コメントを読むと、Andrew氏は夕暮れの調光が凄く気に入ってるらしいので、もしかしたら全体的に暗めで使ってるのかも知れません。勿体ない。。。まあ、ZEOvitで抜くならそれくらいがちょうど良いのかも? 実践した人だけが知り得る運用パラメータ、か。

いずれにしても、T5+ZEOvitの水槽で賞を取ってきた方が、KR93SPに乗り換えて7ヶ月が経過、その効果を十分に体感し、「T5はもう使わない」「LEDが好きだ」「未来はLEDが担うことを確信した」と言われたのは事実のこと。
そんなにも満足して貰えたなんて、改めてフルスペを作って本当に良かったと思います。

きっと世の中には、2種類の人間がいるのでしょう。
誰かが敷いた実績と言う名のレールの上を安全に歩く人と、
危険を顧みず、常に新しいことに挑戦して道を切り開いていく人。
もちろん前者が悪いことなど何もありませんし、リスク回避の基本です。
しかし、Andrew氏は間違いなく後者でした。
そしてもちろん、今フルスペを満喫している人々も、ズバリ後者でしょう。
まだ無い道を歩いてみようと覚悟されたのですから。
僕なら、あるいはリスク回避を選択した可能性も。。。
所詮、僕なんて理屈並べて設計しただけ。
本当に凄いのは、それを実践してレールを敷いてくれた人たちです。

伝説は、まだまだ続きそうだぜぇ~?
一緒にフルスペ大冒険に出かけようだぜぇ♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

T5にもUVを盛りたい♪ 其の弐

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 UVB スペクトル 蛍光体 蛍光灯

実は、出そうかどうしようか迷ってたデータがあります。
結果が思うようにふるわなかったし。。。
でも、ダメの見本も必要かも知れないので、一応出しておきますね。

これは、爬虫類用の蛍光ランプ各種です。

爬虫類用UVBランプ

爬虫類は、カルシウム生成にUVBが必要らしく(だっけ?)、こうしたランプが提供されているようです。
スペクトル次第じゃ、もしかしてアクアへの転用も有効か!?
とね。

で、実測スペクトルと、公称スペクトルの比較です。

爬虫類用UVランプの実測スペクトルと公称スペクトルの比較

念のため、測定器の都合上、下限は360nmなので、それ以下は見えません(汗)
ま、サンゴの要求を考えると、360nm以下は見る必要が無いから良いんだけど。

さて、どこかで見たようなスペクトル。。。はい、前回のT5にもUVを盛りたい♪でご紹介したブラックライト作戦と、同じスペクトル構成ですね。
実はUVB系ランプもブラックライトも似たような蛍光体構成なのですが、通常のガラス管にUVB蛍光体群(280-320nm)と可視光線用蛍光体群を入れれば爬虫類用UVBランプになり、そして可視光線をカットするための黒い(藍色)遮光ガラスにUV蛍光体群(360nm寄り)を入れればブラックライトになります。だからブラックライトの場合は前回ご紹介したように、400nm以降の可視光線は見事にゼロなのです。
ただ、原理は一般蛍光灯と同じ、フィラメントが発する約250nmのUVCを蛍光の励起源とし、UVB蛍光体群を入れるか、可視光線用蛍光体群を入れるか、そして可視光線をカットする特殊ガラスを使うか、その違いです。

また、UVB系ランプの場合は、上のグラフには現れてない、280-320nmのUVBゾーンがもっともっと多く含まれています。しかし、それらは本来サンゴ礁ではほとんど存在しない波長域です。もちろん、普段浴びてない波長をサンゴに与えるのは危険です。しかも、サンゴに必要な肝心の400nmはほとんど入ってない状態なので、もう迷う余地がありませんね。

以下は、いつもの水深スペクトルに南紀で測定した水深50cmを足したモノです。

海中の水深スペクトル

例えば、水深50cmでは400nmこそまだまだ6割も存在しますが、360nmは1割しかありません。さらに水深が増せば言うまでも無く。。。ましてやこの減衰率で行けば、280-320nmのUVBに至ってはほぼゼロの状態、届いていません。それをサンゴに当てるのは。。。以下略

と言う訳で、爬虫類用ランプのアクア転用は、、、難しいようです。
せめて400nmも大盛りなら考えなくも無いですが、

  • UVB系ランプはサンゴの肝心の400nmが入ってない
  • UVB系ランプはサンゴに不要なUVB 280-320nmが大盛りである

これらの理由により、考えるまでも無く、却下としか言いようがありませんでした。。。
残念っ。。。
やはり、アクアメーカーがUVA 360-400nm入りのT5を作るしか無いですね~♪
頑張ってUVA蛍光体を研究してください!

ちなみに、アクア向けT5にUV域が無いのは、別に意図的にカットしてる訳じゃ無くて、UV域を発する蛍光体をブレンドしてないだけです。その証拠に、蛍光管は劣化してくると、どんどん漏れUV値が上昇します。ま、一般用途にはUVカットや飛散膜を持った蛍光ランプはありますが、これまで色々とアクア向けT5を測定してきた中で、今のところUVカット処理が成されている製品はありませんでした。それはスペクトルにも少し捉えられますし、UV計にも値が出ますからね。何よりアクア用途では必要の無いコストですから。

昨日も書きましたが、
ユーザーを困惑させたり迷走させるような虚偽の流布は絶対にダメ!
なんだぜぇ~♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

T5レビュー:WavePoint

この記事を含むタグの全記事リスト: T5 スペクトル 蛍光灯

リクエストがあったので、今度はWavePointと言うT5ランプを試しました。
こんなメーカーがあったなんて全然知らんかった。
今回利用した通販はナチュラルさんです。

これが今回のエイちゃんチョイス。珍しく赤入りもひとつ入れました。一番下の奴。

WavePoint

メーカーの公称スペクトル見たら、このCORAL WAVEっていうピンク球は、他社の同型ランプには見られないような760nmピークの赤外線領域が大盛りに入ってるようなので、それは是非見てみたい!という衝動に駆られたのです(笑)

  • WavePoint - TROPICAL WAVE Full Spectrum Daylight 6500K
  • WavePoint - SUN WAVE Super Daylight 12000K
  • WavePoint - BLUE WAVE Super Blue Actinic 460
  • WavePoint - REEF WAVE Super VioletO3 Actinic 420
  • WavePoint - CORAL WAVE Coral Growth Accelerator

WavePoint 球

驚いたのは、なかなか手間が掛かってる点でした。エンドキャップが色分けされて光色が一目瞭然だし、しかもガラス面の印字位置が電極の向きに合わせて厳密に揃うよう徹底されています。ATIのは結構ずれてたのに(汗)

光色はこんな感じです。

WavePoint 光色

そして、個別のスペクトル測定結果。

WavePoint 実測スペクトル

うむ。やはりいつもの見慣れた波長構成のようだ。。。

さらに突っ込んだ、実測値とメーカー公称値の比較です。

WavePoint 実測スペクトルと公称スペクトルの差異

今回から不可解な部分にクエスチョンマークを入れることにしました♪

1番目のTROPICAL WAVEは、公称スペクトルと完全に一致しました。

2番目のSUN WAVEは、ほぼ一致してるけど、760nmに相対値20%程のピークを持つはずの赤外線が入っていませんでした。これじゃ、他社の白系球と何も変わりません。

3番目のBLUE WAVEは、ATI BluePlusやPowerChrome Actinic+と完全一致。

4番目のREEF WAVEも、ATI ActinicやPowerChrome PureActinicと一致。
公称スペクトルにあるはずの610nmの相対値10%程度のピークも見当たらず。

5番目のCORAL WAVEは、、、
一番の楽しみだった760nmの赤外線の大盛りが入ってませんでした・・・汗
その代わり、610nmに無いはずのピークを30%程入れてくれましたよ♪曝
せっかく、WavePointの赤外線でエマーソン効果っ!って宣伝しようと思ったのに。。。
それとも、公称の760nmよりも、もっと後ろにピークがあんのかなぁ???
やっぱ、いろんな意味で赤球は信用ならんっ!ならんっ!

さ、最後に実用構成です。

  • 系統 1 (白ch): TROPICAL WAVE + SUN WAVE
  • 系統 2 (青ch): BLUE WAVE + REEF WAVE

でもサンゴには、TROPICALの替わりにSUN×2の方が良いでしょう。

WavePoint 実用構成

色温度は計測不能ですが、x,y座標から見て、およそ50000Kくらいでしょう。

例に漏れず、Actinic系のREEF WAVEを入れても400nmは1割止まりでした。
もちろん、400nm以下の紫外線なんて皆無です。
やはりT5でのUV確保は難しいなぁ。。。
T5にUVを入れる方法って無いのかなぁ。。。
T5にもUVが入ってたら良いのに。。。
え? しつこい?笑

違うの。僕は真実を知って欲しいだけなの。T5にUVなんて入ってない、と。
ユーザーを困惑させたり迷走させるような虚偽の流布は絶対にダメだぜぇ~?

では、ここまでのT5レビューで記録してきた光量データを一挙比較してみましょう。

PPFD成績順 1 2 3
メーカー ATI WavePoint GIESEMANN
PowerChrome
試験灯具 ATI SunPower 24W×4
構成 Aquablue SP ×2
Blue Plus ×1
Actinic ×1
TROPICAL ×1
SUN ×1
BLUE ×1
REEF ×1
Midday ×1
AquaBlue+ ×1
Actinic+ ×1
PureActinic ×1
PPFD 372 umol/m2/s 316 umol/m2/s 275 umol/m2/s
JIS AA 照度 10,814 lx 11,554 lx 8,936 lx
CIE 簡易照度 19,560 lx 17,290 lx 14,880 lx
UV (UVA-UVB) 19.1 uW/cm2 16.2 uW/cm2 39.1 uW/cm2

照度は球のスペクトルの波長バランス次第でどうにでもなるので、光エネルギーで順位付けする意味でPPFDを評価基準としました。今のところ、ATIの地位は揺るがず、と言ったところです。高かろう明るかろう♪
一方、WavePointとPowerChromeは同じ価格帯なので、だったらWavePointの方がちょい明るくてお得かも知れません。但し、寿命などは判りませんのであしからず。

さ、引き続きリクエストがあればお気軽にどうぞ♪
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