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ヒゲゴケ抑制実験報告 其の三

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ひとつお伝えし忘れたことがあります。
それは、ヒゲゴケの分解に伴って上昇した硝酸塩濃度のご報告です。

ヒゲゴケキュアリングバケツでの硝酸塩濃度

バケツでのキュアリングは現在もまだ回したままですが、先ほどこのバケツの硝酸塩を測ってみたところ、真っ赤っか! 5~10ppmはありそうです。
これは恐らく、それまで成長していたヒゲゴケが取り込んでいた栄養塩が、分解によって放出されたということでしょう。これはある意味、ヒゲゴケさんのお陰で実現されていた水槽の低栄養塩、とも言えそうです(笑)
また、ピンときた方もいらっしゃると思いますが、このバケツには既にライブロックが1ヶ入っています。その上でこの硝酸塩濃度ですから、如何にライブロックより砂による脱窒の効果の方が大きいのかお判り頂けると思います。少なくとも僕の今の水槽は常に硝酸塩はゼロですから。

ところで実はこの試薬、今の10L水槽を立ち上げる際にヤドカリ屋さんから送って貰ったものでしたが、今まで色が付いた試しが無かったので、水槽の低栄養塩を実感する反面、この試薬壊れてんちゃうの?みたいな疑惑もありました(汗)。店長すまそん。ちゃんと計れましたです♪

さて、前回の報告ではキュアリング完了時のワラワラの量について、「入れた当初よりは若干は減少している感じ」と書きましたが、これはこの硝酸塩濃度の上昇による淘汰も少なからず関係してくると思われます。
それは、ワラワランドのバクテリアの役割でも軽く触れていますが、

「栄養」については、「偏性低栄養細菌」、「通性低栄養細菌」とに分けられ、海洋に分布する従属栄養細菌の多くは前者に分類されるそうです。

という事に基づきます。影響を受ける微生物は栄養のレベルによっても様々ですが、少なからず影響を受ける微生物があれば、それを栄養源とする高次消費者(プランクトンなど)の維持にも影響を及ぼすからです。もちろんそのことにより、競合の欠如から、他種の増殖も考えられます。僅かな栄養塩でも、そこから派生する影響は計り知れないと言えますね。

さて、どうしようかな。
バケツからワラワラを抜かずに換水したいけど、そんなん無茶やん(汗)
もうちょっと完全にキュアしてから水槽に戻したいし、またワラワラ採って来ようかな。。。

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さわやか自然百景

ブログ エイジ 07:12 コメント0件
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先月、NHK札幌放送局の番組制作ディレクターさんから、写真によるヤドカリの種の判定依頼があったのですが、先日無事放送されたと言うことで、先ほど番組のDVDが手元に送られてきました。

さわやか自然百景 ~ 北海道 積丹半島の海岸
7/5 (日) AM7:45~7:59 NHK総合

早速拝見すると、北海道の積丹半島に春が訪れ、潮だまりではこんな生き物が見られました、と言う内容でした。順に、ミドリイソギンチャク、ホンヤドカリ、ヨツハモガニ、イトヨなどが紹介されていました。

実際の問い合わせではケアシホンヤドカリも含まれていましたが、これはどうやらカットされたのでしょう。ヤドカリはホンヤドカリの殻交換シーンのみでした。ちょっともの足りませんでしたが、15分枠なら仕方がないですね。

少し意外だったのは、イトヨって淡水魚と言うイメージが強かったので、なんで潮だまり?と思いましたが、なんと積丹半島では地理的な問題から、どうも潮だまりで産卵が行われるそうです。勉強になりました。

ところで、このイトヨが巣作りに使っていた海藻は、どう見てもヒゲゴケでした(苦笑)

確かに海水の出入りが少ない淀んだ温いタイドプールには、モヤモヤとしたヒゲゴケがよく見られます。しかし、潮通しの良い爽やかな(笑)タイドプールにはほとんど見られません。
水槽で発生するヒゲゴケについても、ここに対策のヒントがありそうですね。

さあ、考えよう! 行動しよう!

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ヒゲゴケ抑制実験報告 其の二

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先日のヒゲゴケ抑制実験報告 其の一に引き続き、其の二です。

あちゃ~。ヒゲゴケ処理の開始時のバケツの写真撮っておくの忘れてた(汗)
と言うわけで、当初バケツに放り込んだヒゲゴケは、この写真に写ってる量すべてです(汗)

ヒゲゴケモーモー水槽 width=

で、キュアリングがほぼ完了した今日のバケツの様子です。

バケツでキュアリング中のライブロック

このバケツには6月初旬に、ヒゲゴケがモーモーと生えてしまったライブロック(写真中央)と、砂にまで進出したヒゲゴケの塊を砂ごと放り込み、購入したワラワラと自家採取したワラワラの余りを投入し、今日までエアレーションのみで回してきました。また、後半一週間は、60W相当の蛍光灯電球を、朝から晩まで点灯しておきました。

ちなみにライブロックに付いていたヒゲゴケは、敢えて毟り取らず生えていたままにして、分解は100%自然に任せました。外的な力が加わったとすればエアレーションによる揺らぎくらいのもんです。

ヒゲゴケが消え始めたのを実感したのは、開始から一週間位してからかな。特に砂の方のヒゲゴケがみるみるデトリタス化していったと言う感じでした。そして今月に入った頃には、ライブロックも写真のようにほぼピカピカになりました。

周囲に見えるモヤモヤも全てデトリタスと砂で、ヒゲゴケの原型はありません。また、長期のキュアリングで発生しがちなバケツ表面の茶ゴケなども一切見られませんでした。(念のためライブロックの中央に見える緑色のものは硬い海藻です)

また、ヒゲゴケがほぼ壊滅した現時点でも、ある程度のワラワラが確認できます。コペポーダ、ヨコエビの仲間、稚貝、ニョロニョロ系、など。但し、入れた当初よりは若干は減少している感じかな。ご苦労様でした。

ところで、今回の効果について、果たしてどの種の微生物がヒゲゴケの分解に貢献したのかは判りません。とは言え、判ったところでそもそも種を限定して投入すること自体無理な話なのですから、我々はなるべく豊富な種が混在しうるワラワラ軍団を、ただ投入するだけで良いのです。ヒゲゴケのみならず、茶ゴケやシアノバクテリア、いろんなものに対して抑制要因となる可能性を秘めた豊富なワラワラ軍団を。

念のため、今回の実験では、前半の光無し(室内光のみ)と言う条件も大きく寄与していると思われます。なので、ヒゲゴケを処理しようと思ったら、照明の強い水槽で直接やるよりも、ライブロックを取り出して暗いバケツで実施した方が、より早く効果が期待できると思われます。

さあ、あなたも今日からワラワラトレーナーです♪
ワラワラの採集、購入については、ワラワランドをご覧ください。

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