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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

究極のコケ対策とは

この記事を含むタグの全記事リスト: LED水槽記録 茶ゴケ実験

今更ですが、水槽のコケ対策と言えば、シッタカ貝(尻高貝)がメジャーです。
また、コケを摂取する巻貝は比較的選択肢が広いので、磯採取なんかでも見つけることができます。もしコケ取り貝としての適性を見るならば、ガラス面を這う際に丸い口でカリカリしながら移動していくようなら、コケ取り貝として十分に機能するでしょう。僕的にはアマオブネガイなんかも可愛くてお勧めです。

まずはこれが水槽のコケ対策の基本です。

では、巻貝以外のコケ対策には、どんな方法があるでしょうか?

意外と意識されてないと思いますが、やっぱワラワラですってば♪
彼らが本気を出せば、コケはたちまち分解されます。
その様は、まるで集中治療室の如し!

茶ゴケを分解するウミミズムシの仲間

上の部隊はウミミズムシの例です。
ちょうど茶ゴケが広がったところへ、集中的に戦闘を開始したところ。
こうなれば茶ゴケの殲滅も時間の問題です。

ウミミズムシのコケ取り速度8時間後

本日の場合、約8時間で上の写真のような分解速度が観察されました。
ウミミズムシ万歳!
こういうことが勝手に毎日繰り返されるので、結果的にコケ掃除は不要なのです。

一方、こんなケースもありました。

シアノバクテリアを分解するコペポーダ?の仲間

既に過去に何度もご紹介していますが、こちらは多分コペポーダ?の仲間と思われる微小甲殻類で、この時はガラス面に広がったシアノバクテリアを分解してました。シアノを摂取することで、たちまち部隊は真紅に染まっていきます。なんて激しい戦いだ!

これらは特に意図的に持ち込んだ訳ではなく、たまたまライブロックか海藻に付着してきた部隊の中に潜伏していたのでしょう。ありがたい最強兵器です。
但し、水槽での対シアノ兵器の登場は稀なようで、僕もこの時以来見ていません。リンを溜めていない事も要因のひとつでしょうけど。

さあ、ワラワラ戦闘集団を水槽に招き入れましょう!
お勧めはシュリンプさんの付着性プランクトンです!
以前のレビューはこちら
但し、採取状況により在庫も限りがあり、なかなか入手できないことも(汗)
気長にチェックしてみてください。

そして、ワラワラの加速アイテムには、ビオアクアがお勧めです♪
僕も週に1~2回程度、水槽にビオアクアをパラリと撒いてます。
お陰で、ワラワラもそうですが、ウズマキゴカイやホヤ、カイメンの成長が著しいです♪
何が凄いって、毎日ガラス面が水面に沿って白くなるくらい、ヨコエビや甲殻類の脱皮殻がビッシリと張り付くんです。これを見ればワラワラがどれくらいの規模で繁殖しているのかが一目瞭然です。

ビオアクアは応援市場なら送料無料です♪

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BioPellets実験3:2ヵ月後(最終回)

この記事を含むタグの全記事リスト: BioPellets実験

すっかり放置されていたバイオペレット実験3。。。
あれから果たして硝酸はどうなっているのでしょう。。。

BP実験3を最後に報告してから早くも3週間が経ちました。
前回は、わざわざ肥料を使ってリンを添加し、その脱リンが脱窒にどう影響を及ぼすのか調べてみた訳でしたが、結果は惨敗でした。リンだけ消失し、硝酸はビクともせず。。。

で、あのあとも肥料でリンを0.5ppmほど入れておきました。
が、その後すっかり存在を忘れてました。。。

本日9/1の結果です。

バイオペレット実験3:2ヵ月後の水質結果

案の定、リンは気持ちが良いくらいに消滅しています。ま、今となれば、バイオペレットがリンを処理する能力は、折り紙つきですね。
ちなみにA槽にはバイオペレットは入ってませんが、これだけの時間があれば、砂だけでも0.5ppmのリンを処理できたという訳です。これが僕の5L水槽でリンが出ない理由のひとつでしょう。

が、硝酸はまったく・・・ま・っ・た・く、変化無し。1ヶ月前と同じ値です。
もう・・・眠いよ・・・パトラッシュ・・・

気になるのは、砂だけのA槽でも通常の脱窒による硝酸の減少が鈍かったことです。

バイオペレット実験は今回で通算3回目で、1回目と2回目はかなり高濃度の硝酸値でおこなったため変移がさっぱり把握できませんでしたが、実験3回目は低レベルでおこなったので、少なからず大きな変化が得られると予想していました。しかし、砂だけのA槽でさえ、こんな結果に終わりましたから、そもそもバクテリアが十分に湧かなかった(足りなかった)のかも知れません。だったら、現在硝酸がゼロの5L水槽の砂を使っていれば、あるいはもっと変化が得られたのかも。脱窒細菌が豊富にラインナップされていそうですから(笑)

今こうして実験を終えてみて思うと、バイオペレットは水槽のバクテリアにかなり依存している印象を持ちました。下手をすれば水槽次第ではほとんど効果が発揮されないケースも予想されます。また、僕の結果とは逆に、硝酸は下がるけどリンが下がらないケースとかもあるかも。。。
ちなみに海外でも硝酸が下がらないというユーザーの声が多いと聞きます。

とは言え、製造元では、スキマーの推奨や特定のバクテリア添加など、お役立ち情報は何も提供されていません。あるのは、あくまでも解説通りの設定を施した流動リアクターで運用しなさい、との説明だけです。

そのため、

  • 各種バクテリア添加を試してみる
  • 流動リアクターの流量と撹拌度をいろいろ変えてみる
  • バイオペレットを規定値より増やしてみる

まだ当面は、こんな感じでユーザーは翻弄されるしかないようですね(苦笑)

実際に流量やメディア量を調整して好結果に繋がったとLSSでも報告されていますし、そのノウハウが反映された製品が出てくるのが楽しみですね。誰が使っても、どんな水槽に使っても、安定して効果の出る製品を期待しています(笑)

以上で僕のバイオペレット実験は胸焼けのまま終了したいと思います。
たいした結果に辿り着けなくて申し訳ないです。。。

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時代は一体型レンズへ

この記事を含むタグの全記事リスト: LEDスポット

今回はアクアLEDスポットランプのレンズ構造の進化の経緯について。

アクアLED元年となった昨年は多くのLEDランプが登場しましたが、その構造はいずれも素子ごとに個別のコリメートレンズを装着するタイプでした。仮に、7素子タイプのランプには、7ヶのレンズが搭載されていることになります。

単体コリメートレンズの配光

そして、そのコリメートレンズをベースに、さまざまな処理を施したレンズが登場し、配光が少しずつ改善されてきたのは皆さんもご存知のことと思います。
特に拡散型レンズの登場によって、それまでのノーマルレンズで見られた色ムラは極力軽減され、より均一にブレンドされた色味を得ることに成功しました。

その反面、あるいは元々のコリメートレンズの特性によるものか、どうしても公称値通りのビーム角を満たしているとは思えませんでした。上の写真をご覧の通り、色味は改善されても、光は中央ばかりに分布し、とても60°に広がっているとは思えません。また、光密度はランプ直前ばかりに集中し、光が遠くへ到達していないようにも思えました。

その後、これまでの個別レンズを組み合わせたレンズ第1世代に終止符が打たれ、レンズ第2世代として一体成型レンズを採用するLEDランプが登場しました。他社に先駆けて先陣を切ったのは、LeDioで一世を風靡したボルクスジャパンです。

一体型レンズの配光

この一体型レンズの登場により、配光特性が格段に改善されました。これこそ、公称値どおりのビーム角を実現していると言えるでしょう。拡散レンズの良い部分を生かしつつ、更に光密度を均一に分布させることにより、ビーム角はもちろん、光の到達性も向上しました。それは上の写真を見れば一目瞭然です。

素子色を均一に合成し、色ムラを無くすこと
光密度を均一に分布させ、ビーム角と光の到達性を向上させること

ついにこれらの問題が解決された訳です。

そして、後を追うように、先日やどかり屋からリリースされたエリジオン閃光II にも、この一体型レンズが採用されました。そしてボルクス同様、拡散プリズムレンズにより得られた配光特性は、本当に見事としか言いようがありません。

また、この成果には、採用されているLED素子も大きく関係しています。
それはCreeの最新素子によるもので、最新のXPシリーズの超小型素子を採用することで、従来のXRシリーズに比べ、素子の密集性が格段に高まり、素子基盤の究極の小型化が可能になりました。そこへ一体型レンズを合わせることで、より点光源からの配光を可能にした訳です。そのため、色の異なる複数の素子で構成されたランプでも、光量ムラが発生することもなく、理想的な波長の合成と配光の分散が可能になったと思われます。また、レンズ全体が発光するため、素子数に関係なく1光源のような効果も得られます。更にはレンズが小型になった分、旧製品と同じサイズのまま、ヒートシンクの面積が増やせるのです。考えれば考えるほど、納得の構造と効果ですね。

上の各画像には、それぞれの素子ピッチも記載しておきました。このピッチが如何に小さいかで、点光源効果は高いと言えるでしょう。
例えば、LeDio 7は素子ピッチが40mmもありますが、最新のエリジオン閃光II の場合は僅か23mmしかありません。あるひとつの指標として、「点光源率」と言うものを勝手に謳う(笑)ならば、LeDio 7は1/0.04=25、エリジオンは1/0.023=43.5となります。ちなみにLeDio 9もLeDio 27も33.3になります。

その他、一体型レンズのもうひとつのメリットとして、光漏れが無いことも挙げられます。全ての光はレンズを通して前面から放出される訳です。
逆に従来の個別レンズ型では、構造上どうしても前面パネル内に無効成分が停滞したり、ヒートシンクの隙間からも光が漏れ易い構造でした。一体型レンズ製品と比べると、結構なロスを孕んでいることが判りますね。

お勧めはLeDio 27とエリジオン閃光II です。是非、体験してみてください。
また、LeDio 9はUV素子の関係上、XPシリーズの採用は見送られたようですが、いずれ素子の小型化が実現されれば、後に続くでしょう。

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