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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

VM Method Vol.2:19日目の検鏡結果と考察

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VMワラワラ実験 Vol.2 の19日目(昨日)の検鏡結果です。

と、その前に♪

実は例の不明生物ツチノコ君について、先日購入した瀬戸内海プランクトン図鑑の発行元である岩国市立ミクロ生物館の方に質問をしてあったのですが、先ほど凄く丁寧な回答を頂きました。

なんと・・・ワムシの仲間ですってば!

特徴としては、体の後部にある2本のあしゆび、そして頭部の繊毛です。海水・淡水ともに水底の泥の中でよく見られる種類だそうです。
なるほどぉ。。。まさかワムシとは。。。

実はチラッと頭をよぎった事もあったのですが、瀬戸内海プランクトン図鑑にはあしゆびが1本の1種しか掲載されてなかったし、海洋プランクトン図鑑(保育社)にも逆三角形のよくある形状のタイプしか載ってなかったし、何よりワムシがこんなに動物的な動きをするものだと認識してなかったので、ほぼスルーでした(汗)

いやぁ~。謎が解けるって素晴らしい♪
岩国市立ミクロ生物館の先生、ありがとうございました!

それとですね、顕微鏡の倍率についてもご指導を受けまして、どうやら撮影方法やレンズ換算に問題があるようです(汗)
実は僕も以前から計算上の倍率と実際に見える倍率の相違について不可解に思っていたのですが、こちらもほぼ謎が解けました。
でも現状の顕微鏡ではこれ以上どうにもならないのは明白なので、とりあえず少しでもよく見えるように工夫して見ることにしました。ま、焦点距離いじっただけですが。

それでは、ご登場願いましょう~!
ワムシのツチノコ君です♪

1つ目のワムシは、これまでで一番よく捉えられたと思います。それにしてもこのワムシ、どう見ても思考に基づく動きをしてますよね。しかも体をよじったりバランス取ったり首を傾げたり。。。ワムシって高等動物なのか?(笑)
2つ目の繊毛虫(ゾウリムシ?)は、今まで素早いピコピコとしか判らなかったけど、こんなに変幻自在に形状が変形していることが判りました。それにしても、こんなにビクビクして生活していたら、さぞ長生きするんだろうなぁ(汗)
3つ目の繊毛虫は、繊毛の動きを捕らえようと構えていたら、あまりに水流が勢いよく発生するもんだから、遠くのゴミが遙々引き寄せられ(左下から)、しばらくクルクル回っちゃうという様子を捉えることが出来ました。素晴らしい♪

さて、ようやく本題のワラワラ実験の検鏡結果です。

日付 炭素源添加 VMワラワラ実験 Vol.2 備考
ウォッカ みりん
2009/10/21 0.1ml 0.1ml VMワラワラ実験 Vol.2 を開始。
2009/10/22 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。多くても2倍程度。
2009/10/23 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/10/24 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/10/25 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/10/26

2009/11/02
0.1ml 0.1ml * 未観察
2009/11/03 0.2ml 0.2ml 検鏡結果は10/25とまったく変わらず。
2009/11/04 0.4ml 0.4ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/11/05 0.6ml 0.6ml ワラワラ密度、少し増えた気が?
2009/11/06 - - パス
2009/11/07 0.8ml 0.8ml ワラワラ密度、変わらず。
2009/11/08 1.0ml 1.0ml ちょっぴりピコピコしてきたような?

えっとですね。。。これはさすがに可笑しいです♪

実験Vol.1では確かに炭素源(希釈液)を1ml添加したらエライことになりました(汗)
しかし、Vol.2では既に0.8mlの添加をおこなっているにも関わらず、本日の検鏡でも未だにピコピコはほぼ沈黙を守っています。。。
いや、強いて言うなら、高密度のピコピコは見あたらないのに、大型生物(大型の繊毛虫、線虫、ワムシなど)ばかりが目立ちます。しかもワムシに至っては、いくら脳天気な僕でも、その増え方にさすがに異常を察してます(曝)

0.8mlではダメで、1mlなら増殖開始?
いえいえ、だって1mlと言うのは規定量の10倍ですよ?(汗)

そこで本日は基本に戻って、まずは元々のヒゲゴケバケツのデトリタスはどうだったか、改めて確認してみました。
すると、最近の実験層の検鏡にすっかり見慣れてしまってたせいか、むしろヒゲゴケバケツのデトリタスの方が、ピコピコが活発に見えます。数こそ多くないけど、とても張り切って走り回ってます。いや、今となってはこっちの方が密度高いんじゃあるまいか・・・?

こうなると、答えを急ぐ訳ではありませんが、もはや一つの懸念が頭を離れません。
それは、やはり生物層のバランス崩壊ではないか?と言うことです。

以下、色々と思い当たる要因など。

  1. ウォッカ層・みりん層ともに、現時点で炭素源0.8mlの添加をしているにも関わらず、ピコピコ(細菌・鞭毛虫など)の増殖が見られない。
  2. 一方、ワムシの密度が、VMいずれの層でも確実に増している。そう言えば、大型の繊毛虫・線虫あたりも増えているように思う。
  3. ヒゲゴケバケツのデトリタスにはワムシがまったく見られなかった。(仮に見つかってもごく僅かなのだろう)

で、現時点で濃厚と思われるいくつかの結論。

  1. 実験初日の添加ミス(10倍濃度の添加)により、一時はピコピコが増殖したが、何より高濃度の炭素源により多くの低栄養細菌(ごく僅かの炭素を好む種)や同様の嗜好性を示す微生物群が活動の阻害を受け淘汰された。結果的に固有型細菌群(炭素含め栄養塩に左右されない種)や耐性のある微生物群だけが残った。また、淘汰という意味では、一般的な生産と消費と言う構図も含まれるだろう。
  2. 栄養に対する嗜好性(今回の場合炭素源)によっても、特に感度の高い微生物群にスイッチが入り、他の微生物群を圧倒し、競合のバランスが傾いた。
  3. 本来さほど多くないはずの種が、これらの条件下で優位性を見せ、最終的に高次消費者として勝ち残った。それがワムシなのかどうかは断定は出来ないが。。。
  4. 一度ピコピコが大繁殖してしまったために、本来少ないはずのワムシや他の大型生物が増えてしまい、それ以降ピコピコがどんなに増えても次々と狩られるため、いつまで経っても目視でカウントできる規模にならないだけか?

* 参考文献: 環境美生物学/昭晃堂、海洋微生物の分子生態学入門/培風館

で、今日は最後のあがきとして、遂に1.0mlの添加をおこなった。
これでもピコピコがVol.1規模で増殖しないなら、暫定的に上記のいずれかの結論に落ち着きたいと思う。どれにしようかな~(笑)

続いて、実験Vol.3の準備も始めた(汗)
今はRO水で人口海水を作ってる最中。
が、市販のバクテリア剤は調べがまだ間に合ってないので、とりあえず作りたての海水へ適当にヒゲゴケバケツのデトリタスを与え、また次回からはウォッカ層とみりん層の実験ではなく、規定量添加層過剰添加層に分け、それぞれの挙動を観察しようと思う。一方を低栄養性の保持、もう一方を高栄養性として観察する訳だ。

ところで、肝心の検鏡がしばらく出来なくなりました(^^;
なんと、本日の検鏡でことごとくカバーガラスを割ってしまい、ついに最後の一枚も(汗)
近日中に理化学機器の問屋見つけて調達してきます。
どこにあるかな。。。金沢来てからそゆとこ行ったことないかなぁ。。。
あー。。。そう言えば顕微鏡も新しいの欲しいなぁ。。。
ハッ。いかんいかん。金がない(苦笑)

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東芝LED電球・最終決戦!レボリューションズ

この記事を含むタグの全記事リスト: LED電球改造

東芝LEDランプネタも、ようやく最終話となりました(多分)
ちょい画像が多いけど、お許し下さいませ。

まず、前回の記事でも触れましたが、この最終話に相応しい素材として、以下のようなモノを通販で注文しておきました。

ハーフレンズ用に調達した素材

そうです。アクリル球はやめたのです。理由は後記。

その前に、この素材の選定にあたり、はざい屋の10mmφアクリル球にするか、この10mmφアクリル半球にするか、結構悩みました。
両方買えば良いじゃん、と言うのは無しで(苦笑)
だってテーマは省エネLEDに相応しく、お金かけずに手間かけて♪

まず理由のひとつは費用です。はざい屋のアクリル球自体は安い(1ヶ65円)のですが、送料が840円も掛かってしまうのです。アクリル球費用の倍以上です(曝)。たかが球コロ7ヶ買うのに、全部で1,300円ほどにもなっちゃいます。こんな小さな荷物、メール便とか融通利かんのかしら。。。

一方、上のアクリル半球は20ヶ入りで189円♪ しかもメール便なので送料は160円♪ 全部で349円也~♪
しかもですよ。びっくりしたわのよ。サービス品が入ってましたのよ(汗)
350円の客にサービス品でっせ!?
もう、嬉しいやら申し訳ないやら、世の中捨てたモンじゃないなと(曝)
そんな気前の良い心温まるショップは、デコ電iroオンラインショップさんです!
そう。なんと、この素材はデコ電パーツだったのです(^^;
商品名は「マルポコ10mm」。
デコ電iroさんも、まさかこんな使い道だとは思うまい♪
ところで、このサービス品、僕には使い道が。。。この際、デコ電にするか(曝)
デコ電iroさん、ホントにありがとうございました。

で、ふたつめの理由。それは事前調査によりました。たまたま光線追跡プログラムと言うモノを見つけたので、事前にレンズシミュレートしてたのです。

レンズの事前シミュレーション

このプログラムは、レンズデータを作成して目的の光源を設定すれば、光がどう進むのか判っちゃうのですよ。いやぁ、凄いソフトだ。しかもフリーだなんて!(有料板もあります)
で、結果として、球よりも半球の方がビーム角が鋭くなることが判ったので、欲が出て半球レンズで進めることにした、という訳です♪

しかし。。。上の素材写真をよく見てください。。。
なんと、アクリル半球の断面にメッキ処理がぁぁぁ。ガーン(曝)
と言う訳で、せっせとメッキを落としました。
だって、デコ電iroさんのご厚意を無駄にする訳にはいかないのだ♪

ハーフレンズのテスト

で、なんとかメッキを落とし、試験的にビーム角のチェックをば。
あらやだ。ビーム角が計算と違うわのよ(^^;
ま、ボヤけてるのは研磨の精度が原因としても、ビーム角がなんか思ったより広いです。うーん。LED素子とレンズが近すぎるのかな?
で、半球レンズをよーく見てみました。よーく見たのです。するとなんと!? 綺麗な半球ではなく、少し潰れてますやん(^^;
直径自体はちゃんと10mmφなんですが、厚みが4mmしかありません。本来ならば5mm厚のはずです。。。なるほど。非球面レンズか(笑)

急遽、再シミュレーションです。画像クリックにて大画像が見れますので、興味がある方は設定値の参考にどうぞ。アクリルの屈折率は1.49程度で計算しています。

レンズシミュレートの修正案

結局、デコ電iroさんのご厚意を無駄には出来ないし(こればっか)、仕方がないので2枚張り合わせの球レンズでいくとして、さらに固定にも都合が良いので2mm厚のアクリル板を挟むことにして、正味10mmφのアクリル球として扱うことにしました。このような構成であってもシミュレートでは球コロと変わりない屈折率でした。結果オーライ♪
ちなみに計算上31°程度のビーム角になるようです。
うーん。それにしても、結局球コロに行き着くのかぁ。。。笑

さ、レンズ部の制作です。

球レンズの構成

なんかあまり上手く溶剤が流し込めなかった(汗)けど、予め半球レンズの断面を女性用爪磨きでピカピカに磨いておいたので、大したロスは無いだろう。

で、ランプの組み立てです。

ランプの組み立て

レンズ部の固定はランプ側のネジ穴をそのまま利用しました。但し、同じ径の長いネジを買ってきて交換してます。

で、ビーム角と照射面は以下の通り。

最終スペックの配光具合

シミュレーション修正案の計算通り、およそ30°のビーム角です。やるじゃん♪
ま、予定外の乱反射はスルーしてください(汗)

で、肝心の照度チェック。

完成品の照度

おじさん、もう何も言うことありません♪
ちなみに1Mでは700lx程度でした。ま、アクアブルーで700lx/1Mなら万々歳でしょ?
だって4,000円弱のLEDランプで、消費電力6.9Wですよ♪
追加費用は、青LED素子630円×3、リフレクタ80円×7、マルポコ20ヶ入り189円、計3,000円以下。ま、それ以外にも色々と手間が掛かってるけど(苦笑)
でもアクアブルーにしないなら、追加パーツ代は1,000円掛かりませんよ♪
と言うことは、東芝LEL-AW6Nとパーツ代の計5,000円で、このスペックがあなたのモノに♪

さ、水槽がすっかり眩しくなりました~!

水槽での照射具合

ランプから水面まで約15cm、底砂まで約20cmです(水深5cmか(^^;)
ミドリイシを置いたら、15,000~25,000lxが降り注ぎます。
まさかLEDランプでスギノキの夢が見られるとは。。。
むふふふふ~。。。

以上、東芝LEDランプネタ、これにてハッピーエンドとなります♪
全8話、最初から続けて読むと面白いかと。

  1. 東芝LED電球をバラして遊ぶ
  2. 東芝LED電球をアクアブルーに♪
  3. 東芝LED電球改アクアブルーを更に集光する
  4. 東芝LED電球改を維持になって集光する
  5. 東芝LED電球へ更にリフレクタ考察
  6. 東芝LED電球・最終決戦!
  7. 東芝LED電球・最終決戦!リローテッド
  8. 東芝LED電球・最終決戦!レボリューションズ ←今ここ

不明な点があれば、お気軽にお尋ねください。
尚、専門家ではないので、判らないことは判りません(笑)
でも、判ることなら判りますよ♪

こちらのエントリーもどうぞ♪

VM Method Vol.2:18日目の検鏡結果

この記事を含むタグの全記事リスト: VMワラワラ実験

VMワラワラ実験 Vol.2 の18日目の検鏡結果です。
ホントは昨日の晩に見るはずが・・・寝てました(汗)
なので、本日早朝に観察をば。

日付 炭素源添加 VMワラワラ実験 Vol.2 備考
ウォッカ みりん
2009/10/21 0.1ml 0.1ml VMワラワラ実験 Vol.2 を開始。
2009/10/22 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。多くても2倍程度。
2009/10/23 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/10/24 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/10/25 0.1ml 0.1ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/10/26

2009/11/02
0.1ml 0.1ml * 未観察
2009/11/03 0.2ml 0.2ml 検鏡結果は10/25とまったく変わらず。
2009/11/04 0.4ml 0.4ml ワラワラ密度、前日とほとんど変わらず。
2009/11/05 0.6ml 0.6ml ワラワラ密度、少し増えた気が?
2009/11/06 - - パス
2009/11/07 0.8ml 0.8ml ワラワラ密度、変わらず。

添加液の詳細については、VM Method Vol.2:2日目の検鏡結果をご覧下さい

なんか、全然ブルームする様子がありません。
でも、大きなモノは少しずつ増えてる気が。。。?
見るタイミングが悪いのだろうか?
見てないときにピコピコ増殖、見る頃には捕食され尽くしてるとか?(笑)

Vol.1の際に希釈液を1ml入れたときはあんなに増殖したのに、今回は0.6mlでもまだ気配が無い。たまたま1mlがスイッチだったのか、あるいはやはり生物層が変わったのか、あと数日が勝負です♪

で、とりあえず今朝は希釈液を増やして、それぞれ0.8mlを添加。

さて、今日もいつもと代わり映えしない動画ですが、みりん層のツチノコ君が今日はかなりイケイケだったので頑張って撮影しました。多分、今までで一番綺麗に撮れたかも♪

正体不明のツチノコ君

10年前に謎の生物Poo(恐らく顎口動物)を見つけて以来の感動です。どなたか微生物に詳しい方がおられましたら、どうかご教示下さいませませ。

さて、あとで東芝LED電球の最終決戦!レボリューションズをアップしますぞ♪

こちらのエントリーもどうぞ♪