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懲りずに書いてみたりする結果オーライな日記

高知遠征・其の弐(ツノヤドカリ篇)

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高知遠征、第2部です。第1部はこちら

皆さんは覚えているでしょうか。
2004年の夏、松井氏に案内された足摺の海岸で、僕が大量のツノヤドカリ不明種を見つけたことを。
その後、千葉の駒井先生に同定していただいた結果、それが1995年にインドネシアで記載されたばかりの新種だったと言うことを。
それが何故か足摺で大繁殖していたと言うことを。

今回、5年ぶりの足摺となりましたが、やはり僕の興味はここにありました。
あのツノヤドカリ、今も生息しているのだろうか。
まさか、あの年だけの幻だった、なんてことはないだろうか。
そこで、スケジュールを少し割いて、松井氏に案内をお願いしました。

うはぁ~っ。おるわおるわ。Diogenes klaasi
この子ら、完全に定着してるわっ(汗)

ちなみにこの子らは、普通に探しても見つからないでしょう。なんせ、どろどろの丘を歩いてますから(曝)
しかも、今のところ、このポイントでのみ見つかってます。今回、いくつかの海岸も回りましたが、そこで見つかるのは Diogenes pallescens のみです。また、D. klaasi のポイントでは D. pallescens は見つからないので、これも面白い住み分けです。どちらのツノヤドカリもどろどろの泥地を好みますが、D. pallescens は干潮時でも最低限の水深が確保できるポイントを、D. klaasi は本当に干上がって陸になるような海岸線ギリギリを好むようです。

両者を写真で見比べてみましょう。

Diogenes klaasi と Diogenes pallecens

左が D. klaasi 、右が別のポイントで見つけた D. pallescens です。
写真で比較すると色味が明らかに違いますが、磯では小さすぎて判断しづらいです。
写真の個体でも貝殻で約1cm前後、甲長に至っては1mmあるかないか。。。苦笑
色の濃淡よりも、青みがかっているか、茶色っぽいかで見ると良いです。

そして、決定的な違いは、眼柄の模様です。

Diogenes klaasi と Diogenes pallecens の眼柄の特徴

判りますか?
D. pallescens は眼柄に2~3本の線が入りますが、D. klaasi には線は入りません。
この特徴も肉眼では小さすぎて判別しづらいので、ルーペがあると良いでしょう。
わもん氏はちゃっかりと15倍ルーペを持参してたので感心です♪

ひとまず、D. klaasi の足摺での生息が確認できて安心しました。
皆さんも足摺に行く機会があったら、海岸を散策してみてください。
但し、それをそれと判断できる図鑑を頭に叩き込んでおく必要があります(笑)
ツノヤドカリって基本パターンがどれも同じなので、識別に苦労しますからね。

ちなみに今回の遠征で観察できたツノヤドカリは、上記の2種のみでした。
砂地も攻めればトゲトゲやテナガあたりも見られたかもしれませんが、さすがに他のメンバーの手前それは無理なので(汗)
ヤドカリストは肩身が狭いっ(笑)

第3部につづく。

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高知遠征・其の壱(メンバー紹介篇)

この記事を含むタグの全記事リスト: オフ会 高知

7/10~7/12の3日間、高知へ磯遊びに行ってました。
今年初の海♪

すると、奇遇にもあちこちのアクアリストたちと遭遇!
東京チーム、関西チーム、広島チーム、総勢22名
なんと言う偶然!?(笑)

僕の住む金沢から高知までは車で約12時間。。。
途中、誰と合流することも無く、現地集合でした。
約1000キロの現地集合って。。。
そのうち沖縄でも現地集合させられたりして(笑)

メンバー紹介。

いごっそうな面々

青木あやの夫妻、やどかり屋一家、ゆうぞう氏、Tetsuo氏、ケントパパ氏、ヨッシー氏、レオポン氏、azuさん、ゆっきっきさん、わもん夫妻、たまーぼカップル、だに氏、かなめ氏、松井氏、ドリル氏、そして僕とカステラ氏。

いつもの気心の知れた仲間たちに加え、今回はわもんチームとたまーぼチームとの初の合同ヤドカリ散策となりました。いつもの磯オフなら僕だけ肩身狭く隅っこでヤドカリ探してるんですが、今回はヤドカリが通じる仲間がいてくれて心強かったです♪
わもん氏は少し以前から僕が期待しているヤドカリストですが、ここ一年の間に急成長しているたまーぼ氏との攻防が、最近の僕の肴です(笑)
どっちも頑張れ♪

松井氏とドリル氏には5年ぶりに再会しました。
松井氏は頭が白くなって益々貫禄が。。。しかし相変わらずタフな高知人で、まだまだ現役で走るでしょう。サミダレヒメホンヤドカリの記載に用いられたホロタイプ(正基準標本)は彼の功績です。いごっそう!
ドリル氏は当時高校生だったのに、今では社会人。背も伸びてすっかり大人の顔でした。あれからアクアな学生を経て、アクアな職に就かれたとのこと。今でも相変わらず漁港でゴミ漁りに励んでいるそうです。その成果として過去にゼンマイヤドカリトゲツノヤドカリ等を提供していただいてます。

問題はだに氏でしたが、今回はピーマンのお陰か、太陽こそは拝めませんでしたが、雨は何とか避けることができました。ま、これだけの人数の晴れ男・晴れ女に囲まれれば、だにパワーと言えども活動限界ですね。とは言え、太陽を拝むには、あと10人くらいは必要そうです。

高知と言えば、今ではすっかり風物詩となった松井氏の講義。

いつもの会議

以降、ヤドカリ篇につづく。

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BioPellets実験3:開始一週間の推移

この記事を含むタグの全記事リスト: BioPellets実験

6/30から再開したバイオペレット実験第3弾から一週間が経過しました。
相変わらず厳しい結果に戸惑うばかり。。。

バイオペレット実験3の開始から一週間の水質推移

A槽とC槽の関係では、これまで通り一貫して同じ結果が出ています。バイオペレットを砂の上にばら撒いた方が、砂だけの時よりも確実に脱窒量が大きく得られています。これについては勿論バイオペレットの効果なのだろうと、既に結論付けています。

問題はB槽。これまでも幾度に渡って流動フィルターの構造を見直してきて、今回も自分なりにベストな条件を作ったつもりでしたが、どうにもうまくいかない。前回もうすうすは感じていましたが、どうもバイオペレットを流動させていると、硝酸が下がらないか、むしろ増えてくる(厳密にはA槽が緩やかに下がり、B槽が不変で置いてけぼりなので濃くなって見える?)ようにも見えてました。そして今回も。。。

一週間目の硝酸塩濃度(5倍希釈)

なぜにB槽がA槽よりも濃いのだろう。。。苦笑

バイオペレットの流動度の設定は、そんなにシビアなのか?
流動しすぎると、効果が出ない、あるいは他の影響が出てしまうのか?

今、ひとつの可能性を疑ってます。

バイオペレットは炭素源ではありますが、生分解性プラスチックというだけあって、ある意味プラスチックの濾材です。ここに、通水によって一般的な硝化菌が召喚されてしまう、と言うことは考えられないかしら?と。

そして、D-PAOの増殖速度と硝化菌の増殖速度、どっちが早い?
経験的には、有機物を利用する従属栄養細菌であるD-PAOの方が、独立栄養細菌である硝化菌よりも速いように感じてます。
とは言え、通水(窒素源と酸素の供給)と言う硝化菌にとっての好条件を与えれば、少なからず両者の競争が発生するのかも知れません。そして、現にB槽での脱窒量がA槽にも及んでいない事実から推測すると、既に勝者は硝化菌なのだろうか?という不安にも刈られます。

今回はB槽にも独立した曝気を与えているので、本来ならA槽と同等の砂面による脱窒が得られているはずです。それでも硝酸塩濃度が濃いということは、それを打ち消して且つそれを上回る硝化が起きている、と考えればいいのだろうか。でも、窒素源はどこから?

そう言えば、海水はRO+DIで生成しましたが、砂は水道水で洗った気が・・・。勿論、濯いだ水は捨てて、砂だけを水を切って入れてますが、もしかして砂に付着した僅かな水道水の水滴から持ち込まれたのだろうか。。。詰めが甘い(汗)
いや、だけどその条件はABCすべての実験槽で同じなんだけど。。。

あ。仮に水道水からの僅かなアンモニア・亜硝酸があるとして、それが流動フィルターによって硝化菌が先に処理し始めているが、A槽やC槽は積極的な硝化菌環境がないので、未だアンモニア・亜硝酸は処理されずに漂っている。よって、今後A槽もC槽も徐々に硝酸塩が生成され始める?

知恵熱が。。。

RO水で砂を洗いなおして再開すべきかなぁ。。。

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